Volume 428 Number 6978

Editorials

英国でワクチンの論文を契機に「研究者の利害関係と論文の信頼性」が関心を呼んでいるが、難しい問題であり、安易な対応は望ましくない。

In no oneNULLs best interest p.1

doi: 10.1038/428001a

スペインの総選挙でどこが勝つにしても、科学への支援という公約は守るべきだ。

Ending the pain in Spain p.1

doi: 10.1038/428001b

News

エイズ流行が深刻化しているハイチだが、騒乱で医療がさらに困難に。

Doctors battle to contain AIDS epidemic as unrest engulfs Haiti p.3

doi: 10.1038/428003a

論文雑誌の倫理問題を議論してきた団体が、医学雑誌の守るべき倫理規範の草案を発表。

Medical editors urged to accept ethical code p.5

doi: 10.1038/428005a

遺伝子組換え生物の取り扱いに関するカルタヘナ議定書について、米国と生物学者が厳しすぎる運用に懸念。

US and biologists wary of strict biotech rules p.6

doi: 10.1038/428006a

スペースシャトルの運行終了で、国際宇宙ステーションの宇宙実験ができなくなる恐れ。

at risk p.7

doi: 10.1038/428007a

News Features

富士山:眠れる巨人の目覚め

A sleeping giant stirs p.12

日本の景観の象徴である富士山に、数年前から低周波地震や噴気発生などの動きが見られるが、噴火につながる可能性はあるのだろうか。

doi: 10.1038/428012a

細胞生物学:水を入れるだけ

Just add water p.14

酵母で見つかった糖を利用して、フリーズ・ドライの血液細胞ができるかもしれない。

doi: 10.1038/428014a

News & Views

微生物学:野生種のゲノムを再構築

Reconstructing the wild types p.25

世界全体の自然界に存在する微生物の性質を解明するための興味深い方法の1つが、種の入り組んだ群集中から得た全ゲノムをつなぎ合わせるというやり方である。極めて酸性の高い微生物生育環境は、そういう目的を達成できるような条件を備えているといえる。articles, p.37 参照。

doi: 10.1038/428025a

超伝導:温度を上げる

Turn up the temperature p.26

ある種の材料が比較的高温で超伝導性となる条件がどのようなものなのか、さらに詳しい状況が解明されつつある。それに伴って、転移温度がもっと高い材料をデザインする際のヒントも得られるようになってきた。highlights 参照。

doi: 10.1038/428026a

生態学:ヨーロッパ産シジミチョウの分布と遺伝的多様性

Chalk-hill blues p.27

気候変動と土地利用形態の変化は生物多様性に影響を及ぼすことがある。しかし、ある生物種の本来の生息地からの移動は、遺伝的多様性に影響を与えており、集団が持っている衰退傾向に影響する可能性がある。

doi: 10.1038/428027a

細胞生物学:細胞の振り付け師

A cellular choreographer p.28

腸のような場所で障壁を作る特殊化した細胞は、特徴的な非対称性を備えている。このような細胞構造を作り出す重要なきっかけを作るのはある特別のタンパク質らしい。

doi: 10.1038/428028a

分子生物学:本質を取り違えると

Case of mistaken identity p.29

感染と戦うのに欠かせない受容体を形成するための遺伝子を組み合わせるという基本的な段階に関わっている酵素が、どうやらある種の癌の犯人らしいと指摘された。校正のまちがいはすこぶる高くつくことがあるのだ。letters, p.88 参照。

doi: 10.1038/428029a

層を作る低温海水

p.31

海水の温度と密度の関係はちょっと変わったものだ。しかしこの関係を考えれば、過去の全球的な寒冷期の間に高緯度域の大洋が大気中の二酸化炭素を閉じこめ、これによってさらに冷却が進んだ仕組みを説明できるのではないかと考えられるようになった。highlights 参照。

doi: 10.1038/fake96

古気候:層を作る低温海水

Cool stratification p.31

海水の温度と密度の関係はちょっと変わったものだ。しかしこの関係を考えれば、過去の全球的な寒冷期の間に高緯度域の大洋が大気中の二酸化炭素を閉じこめ、これによってさらに冷却が進んだ仕組みを説明できるのではないかと考えられるようになった。highlights 参照。

doi: 10.1038/428031a

細胞分裂:張力は充分?

Feeling tense enough? p.32

複製された染色体を間違いなく半分ずつ娘細胞に分配するのは、分裂を行う細胞にとっての重要な問題である。これをやってのけるための仕組みが、新たな研究と過去の研究によって明らかにされた。letters, p.93 参照。

doi: 10.1038/428032b

Articles

生態:環境からの微生物ゲノムの再構築により群集構造と代謝を解明

Community structure and metabolism through reconstruction of microbial genomes from the environment p.37

doi: 10.1038/nature02340

遺伝子工学:嗅神経細胞由来のクローンマウス

Mice cloned from olfactory sensory neurons p.44

doi: 10.1038/nature02375

Letters

物性:銅酸化物超伝導体のファミリーにおける転移温度の普遍性の説明

An explanation for a universality of transition temperatures in families of copper oxide superconductors p.53

doi: 10.1038/nature02348

物性:結晶の対称性とマルテンサイト変態の可逆性

Crystal symmetry and the reversibility of martensitic transformations p.55

doi: 10.1038/nature02378

気候:寒冷な気候における極域海洋の成層

Polar ocean stratification in a cold climate p.59

doi: 10.1038/nature02357

地球:伸張破壊から剪断破壊への遷移と混合型の破壊

Hybrid fracture and the transition from extension fracture to shear fracture p.63

doi: 10.1038/nature02333

生態:サンゴの粘液はサンゴ礁生態系でエネルギー輸送体および粒子捕捉装置として機能する

Coral mucus functions as an energy carrier and particle trap in the reef ecosystem p.66

doi: 10.1038/nature02344

生態:アリで見られる過密条件下での最適な交通流の組織化

Optimal traffic organization in ants under crowded conditions p.70

doi: 10.1038/nature02345

視覚:方向性のある地面情報の統合過程によって正確に知覚される距離

Perceiving distance accurately by a directional process of integrating ground information p.73

doi: 10.1038/nature02350

遺伝:hCDC4の不活性化が染色体不安定性の原因になる可能性がある

Inactivation of hCDC4 can cause chromosomal instability p.77

doi: 10.1038/nature02313

植物科学:存在場所が制限されているマイクロRNAがARGONAUTE1を介して葉の極性を誘導する

Spatially restricted microRNA directs leaf polarity through ARGONAUTE1 p.81

doi: 10.1038/nature02366

植物科学:マイクロRNAによるrolled leaf1の発現抑制がトウモロコシの葉の極性を指定する

microRNA-mediated repression of rolled leaf1 specifies maize leaf polarity p.84

doi: 10.1038/nature02363

細胞:Bcl-2の主要切断点領域における非B型DNA構造はRAG複合体によって切断される

A non-B-DNA structure at the Bcl-2major breakpoint region is cleaved by the RAG complex p.88

doi: 10.1038/nature02355

細胞:有糸分裂紡錘体の二方向性には2つの動原体間の張力のみで十分である

Tension between two kinetochores suffices for their bi-orientation on the mitotic spindle p.93

doi: 10.1038/nature02328

生化学:DNAポリメラーゼ ηによるcis-synチミン二量体の選択的バイパスは忠実度に偏りがある

Preferential cis-synthymine dimer bypass by DNA polymerase η occurs with biased fidelity p.97

doi: 10.1038/nature02352

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