Letter

物理:超急冷無機ガラスとの比較による水のガラス転移挙動の明確化

Nature 427, 6976 doi: 10.1038/nature02295

ガラス形成は、広い温度範囲にわたって液体状態を保つ物質(「よいガラス形成体」)で普通に起こり、結晶化を起こさないほど速く冷却すればたいていの液体でも引き起こせる。しかし、よいガラス形成体は、再加熱していくと融点より低い温度で過冷却液体に突然変わるというガラス転移を示すのに対し、他の物質はガラス状態から直接結晶状態に変わる。結晶化の前に水がガラス転移を示すかどうかは50年以上にわたって激しく議論されてきた。ここ20年は、136 Kでのガラス転移の存在が広く受け入れられているが、この転移はガラス転移に関する現在の我々の知識と折り合いにくい性質を示す。今回、加熱してもガラス転移温度に達する前は結晶化しない超急冷無機ガラスの特性を熱量測定によって詳しく調べた。その結果をガラス状態の水の挙動と比較し、水のガラス転移によるとされるような小さな吸熱効果が、より高温で起こるほんとうのガラス転移の「影」にすぎないことを見出した。これにより、水のガラス転移は直接検証できないという過去の結論の正当性が裏付けられた。 オールボー大学(デンマーク)、Y Yue およびアリゾナ州立大学(米)

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