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医学:医学研究に弾みをつけるハプロタイプ・マップ

Nature 426, 6968 doi: 10.1038/nature02168

DNA配列の個体差に共通するパターンを見つけようという目的で行われる国際プロジェクトの概要が発表された。HapMapとよばれるこのハプロタイプ・マップは、ありふれた病気を解明する手がかりとなり、診断法の開発を助け、治療標的の探索にも役立つだろう。

国際HapMap計画では、アフリカ、アジア、欧州の各地をルーツとする人々について、遺伝暗号中に共通して生じているバリエーションを探すことになっている。中国、カナダ、日本、ナイジェリア、英国、米国の研究チームが協力して、配列の個体差を明らかにし、その頻度を見積もる。これらは、疾患と関連のあるゲノム領域を特定するのに役立つだろう。この計画では、サンプル提供者の同意取得と特許という困難な問題にも取り組むことを余儀なくされた。あらゆるデータが公開される予定で、またHapMapコンソーシアムでは、見つかった遺伝子マーカーどうしの組み合わせについて特許取得ができないように特別なライセンスを設定している。

HapMap計画は、ヒトゲノムの塩基配列を解読したヒトゲノム計画(HGP)と対比されてきた。どちらも国際的な協力体制に基づく科学的にみて非常に野心的な試みであり、ヒトの生物学や健康について理解を進める上で非常に大きな意味をもつ。ただHGPはゲノム全体を対象にするが、ゲノムの99.9%は我々の誰もがまったく同一である。これに対しHapMapは、ゲノムの中で個体差がある0.1%の中から共通パターンを明らかにしようというものである。

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