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生化学:シトクロムb6f複合体に含まれる異例のヘム

Nature 426, 6965 doi: 10.1038/nature02155

光化学系IおよびII(PSIおよびII)は、酸素放出型の光合成を駆動するために光のエネルギーを捕捉する反応中心である。だが、これらの系は複数のサブユニットからなるシトクロムb6f複合体との相互作用によらなければ、このような反応を行うことができない。この複合体は、電子をPSIIから受け取ってPSIに渡し、膜を横切ってプロトンを能動輸送してQサイクルに動力を与える。ミトコンドリアと細菌の相同体であるシトクロム bc1とは異なり、シトクロムb6fはPSIの周りの、未知の経路を介する循環的電子伝達系へと電子伝達系を切り替えることができる。本論文では、緑藻の一種Chlamydomonas reinhardtiiのシトクロムb6fの分解能3.1ÅでのX線構造を示す。シトクロムb6fの構造はシトクロムbc1と似ているが、結合しているクロロフィルやβ-カロテン、1つのキノン部位を共有している予想外のヘムの存在といった独自の特徴もいくつか見られる。このヘムは1つのチオエーテル結合によって共有結合されて、軸方向のアミノ酸リガンドが存在しない点で異例である。このヘムは酸素放出型光合成におけるミッシングリンクなのかもしれない。

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