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神経:代謝共役型グルタミン酸受容体mGluR1によるTRPC1陽イオンチャンネルの活性化

Nature 426, 6964 doi: 10.1038/nature02162

グループI代謝型グルタミン酸受容体(mGluR1およびmGluR5よりなる)は、Gタンパク質共役型の神経伝達物質受容体であり、シナプス後膜のシナプス周辺部分に見出される。この受容体は、シナプスからの一度の斉射ではなくシナプス活性のバーストにより活性化される。この受容体は、海馬の長期増強と抑圧、小脳の長期抑圧、連合学習、およびコカイン常用癖などさまざまな神経可塑性に関わっている。グループI代謝型グルタミン酸受容体は、活性化されると2種類のGタンパク質依存性シグナル機構に関与する。その1つはホスホリパーゼCの刺激、もう1つは細胞膜でゆっくりと活性化される未知の陽イオン混合型興奮性シナプス後コンダクタンス(EPSC)である。本研究では、mGluR1によって引き起こされる遅いEPSCがTRPC1陽イオンチャンネルにより伝達されることを報告する。TRPC1は小脳の平行繊維とプルキンエ細胞が形成するシナプス周辺領域で発現し、mGluR1と物理的に連動する。TRPC1の作用を阻害するような処理により、プルキンエ細胞ではmGluR1が引き起こす遅いEPSCは阻害される。しかし、AMPA型のグルタミン酸受容体による速いシグナル伝達は影響を受けなかった。さらに、異種発現系でmGluR1とTRPC1を共発現させると、プルキンエ細胞で見られる遅いEPSCに極めてよく似た、mGluR1が引き起こすコンダクタンスが再構築された。

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