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生態:シアノバクテリアProchlorococcusの2つの生態型に見られるゲノム分岐は海洋ニッチの分化を反映したものである

Nature 424, 6952 doi: 10.1038/nature01947

海洋性の単細胞性シアノバクテリアProchlorococcusは知られる中で最小の酸素発生型独立栄養生物である。Prochlorococcusは熱帯および亜熱帯の海洋おいては植物プランクトンを数のうえで優占し、地球全体で行われる光合成のかなりの部分を担っている。我々は今回、Prochlorococcusの系統内で進化的に最も離れ、増殖するための最低・最高・最適の光強度が異なる2系統のゲノムを比較した。強い光に適応した生態型のゲノムは既知の酸素発生型光合成生物すべての中で最小(1,657,990塩基対、1,716遺伝子)だが、弱い光に適応した生態型のゲノムはそれよりもかなり大きく2,410,873塩基対(2,275遺伝子)である。これら2系統のゲノム構造を比較したところ、無数の選択圧に対応して常に変化していくゲノムの動的な姿が明らかになった。2系統は1,350の遺伝子が共通しているが、共有していない遺伝子も少なからずあり、こうした遺伝子は共通祖先から別々に保持されてきたか、あるいは遺伝子重複もしくは側方移動によって獲得されたものである。これらの遺伝子のいくつかは、変動する重要な環境要因に応じた生態型の相対的適応度の決定において、ひいては海洋中の分布や数度の調節において明確な役割を果たしている。

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