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遺伝:運動性の海洋性シアノバクテリアSynechococcusゲノム

Nature 424, 6952 doi: 10.1038/nature01943

海洋性の単細胞性シアノバクテリアは海洋におけるクロロフィルのバイオマスおよび炭素固定の20-40%を担っているとみられている。我々は今回、海洋性の単細胞性シアノバクテリアは海洋におけるクロロフィルのバイオマスおよび炭素固定の20-40%を担っているとみられている。我々は今回、Synechococcus sp. WH8102株の2.4メガ塩基からなるゲノムの塩基配列読み取りと解析を行い、これらの生物が主として貧栄養性の環境に適応してきた過程の一部を解明した。WH8102は有機窒素資源やリン資源を使い、また淡水性シアノバクテリアのモデル系統よりも多くのナトリウム依存性輸送体を備えている。さらにこの細菌は、一部の酵素にニッケルとコバルトを使うことで量の限られた鉄を節約する戦略をとってきたとみられ、備えている調節装置を縮小し(外洋が淡水よりもはるかに恒常的で緩衝機構の働く環境であることと整合する)、また特殊な遊泳運動性を進化させてきた。WH8102のゲノムは、一部ファージによる遺伝子の水平移動によって多大な影響を受けたらしい。遺伝子の水平移動が関与した遺伝物質には、細胞表面の変形や遊泳運動性にかかわる遺伝子が含まれる。ゲノムをもとに考えると、WH8102は近縁な2つの海洋性シアノバクテリアに比べて幅広い生存条件に対応できる株である。

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