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News & Views

アト秒物理学:原子の写真

Attophysics: Atomic photography p.789

原子内部の電子の動きは、普通のカメラでは捕らえるのは無理である。しかし、超高速のレーザーパルスが使えるようになったために、こうした核に近い電子がエネルギーレベルのちがう軌道を移動するのを捕らえるのに充分な「シャッタースピード」が得られるようになった。

doi: 10.1038/419789a

細胞生物学:三次元での生き残り

Cell biology: Survival in three dimensions p.790

細胞が生き続けるか、それとも死ぬかは局所的に働くさまざまな合図によって決まる。このような合図には、隣り合った細胞との空間的な位置関係や近くにある細胞外マトリックスとの方向性のある相互作用も含まれていることが、新たな研究で明らかにされた。

doi: 10.1038/419790a

惑星科学:月は地球のがらくた置き場?

Planetary science: Earth's lunar attic p.791

ずっと昔に地球などの惑星表面から吹き飛ばされた岩石は、月にためられているかもしれない。そういう岩石を見わけるのは難しいけれども、そこには惑星の化学的な経緯や場合によっては生命の証拠といった独自の記録が残っている可能性がある。

doi: 10.1038/419791a

老化:年寄り線虫は動きが遅い

Ageing: The old worm turns more slowly p.794

線虫の老化に伴う細胞の変化を詳しく調べた結果、線虫でも人間と同じで筋肉の衰えが段々に進行していることがわかった。細胞損傷がランダムに起こることも、老化の進行について線虫と人間に共通のもう1つの徴候である。

doi: 10.1038/419794a

癌:p53の変化を突き止める

Cancer: Pinning a change on p53 p.795

p53は、細胞の癌化の進行防止に真っ先に働くタンパク質である。このp53の活性化には、ある酵素によって誘導されるコンホメーション変化が関わっていることがわかった。

doi: 10.1038/419795a

量子物理学:論理的NOT

Quantum physics: NOT logic p.797

電子的なNOTゲートと同じものを量子的に作るのは不可能である。しかし、普遍的なNOT変換に最適近似と考えられる機構が、今回光子を使って実現された。

doi: 10.1038/419797a

大気科学:煙突の煙と水路

Atmospheric science: Plumes and flumes p.798

水路を使ったモデルの研究から、卓越風に対する煙突の配列が、煙突から排出される煙の動きにどう影響するかが明らかになった。

doi: 10.1038/419798b

概日リズム:細かく管理されている体内時計

Circadian rhythms: Finer clock control p.798

概日リズムを支配している体内時計は、分子の作るフィードバックループに基づいている。このループの成分とみられるタンパク質がさらに2つ見つかり、この機構は予想以上に複雑なことがわかった。

doi: 10.1038/419798a

テクノロジー:カーボンナノチューブから糸を作る

p.801

Spinning continuous carbon nanotube yarns 中国の研究者たちが、微小なカーボンナノチューブから、綿を紡ぐようにして最長30cmまでの糸を作る方法について報告する。この研究で、中空であるこの分子の様々な新用途が開かれ、着用できる「ナノチューブ繊維織物」さえ可能になるかもしれない。 清華大学(中国)のK Jiangたちは、直立しカーペット様に配列した分子からカーボンナノチューブの「房」を引き出す実験を試みていた。房をつかむ代わりに、捕捉機器は、この配列からナノチューブの糸を引き出した。彼らの計算だと、1cm2の配列から、約10mのナノチューブの糸ができる。 束ねられたナノチューブの糸は優れた電気の導体になり、平行に配置すれば光を偏光させることもできる。熱処理を施すと非常に強くなり、織ることができる。織物は防弾チョッキにもなり、あるいは電磁放射を防ぐ材料にもなると、Jiangたちは示唆している。

doi: 10.1038/419801a

神経:2つの鼻孔は互いに情報交換をしている

p.802

One nostril knows what the other learns 2つある鼻孔の片方が何かを学習すると、それはもう片方の鼻孔にも伝達されるという研究結果が今週号のBrief Communicationsに載っている。これはつまり、2つの鼻孔は情報を共有することで、捕らえにくい匂いの探知がうまく行われるようにしている、ということらしい。化学物質の1つであるアンドロステノンの匂いは、成人の30%が感知できない。だが、この物質を数日間にわたって繰り返し嗅いでいると、その匂いを嗅ぎ分けることができるようになる。カリフォルニア大学バークレー校のN Sobelたちは、我々の鼻が匂いを学習する方法のモデルとしてこの現象を使い、2つの鼻孔のそれぞれの機能について調べた。 その結果、アンドロステノンの匂いがわからない被験者で、一方の鼻孔は閉じておき、もう片方の鼻孔だけがこの物質に触れて、その匂いを学習するようにした場合でも、実験中に閉じられていた鼻孔もやはりこの匂いを識別できるようになることがわかった。それぞれの鼻孔から情報を集めて脳に送る神経の間には連絡がない。とすると、脳の嗅覚中枢でなんらかの情報交換が行われているにちがいないとSobelたちは考えている。匂いは非常にたくさん存在するので、それらの検出にあたって、このように経験を共有するようにしておけば、理論的には鼻の学習能力は2倍になるはずだというのが彼らの考えである。

doi: 10.1038/419802a

Articles

物理:時間分解法による原子内殻の分光学

Time-resolved atomic inner-shell spectroscopy p.803

doi: 10.1038/nature01143

生理:線虫の加齢に伴う組織の特異的な衰えには、確率的要因と遺伝的要因が影響する

Stochastic and genetic factors influence tissue-specific decline in ageing C. elegans p.808

doi: 10.1038/nature01135

Letters

物理:普遍的量子NOTゲートの実現

Experimental realization of the quantum universal NOT gate p.815

doi: 10.1038/nature01093

物性:カップルした磁気ドメインと電気ドメインの観察

Observation of coupled magnetic and electric domains p.818

doi: 10.1038/nature01077

気候:完新世における米国北東部の暴風強度の千年スケール変動

Millennial-scale storminess variability in the northeastern United States during the Holocene epoch p.821

doi: 10.1038/nature01132

地球:高温高圧下でのMg0.9Fe0.1SiO3ペロフスカイトの強度

The strength of Mg0.9Fe0.1SiO3 perovskite at high pressure and temperature p.824

doi: 10.1038/nature01130

進化:現代のサケ科魚類の小規模個体群に見られるフィッシャー説に則った生活史の進化

Contemporary fisherian life-history evolution in small salmonid populations p.826

doi: 10.1038/nature01029

進化:雌のガに見られる交配相手の好みの父系遺伝

Paternal inheritance of a female moth's mating preference p.830

doi: 10.1038/nature01027

遺伝:ヒトゲノム上に最近生じた正の選択をハプロタイプ構造から明らかにする

Detecting recent positive selection in the human genome from haplotype structure p.832

doi: 10.1038/nature01140

生化学:電位依存性が逆のイオンチャネルの間でも、電位感知機構は保存されている

Voltage-sensing mechanism is conserved among ion channels gated by opposite voltages p.837

doi: 10.1038/nature01038

生理:Dec1およびDec2は哺乳類分子時計の制御因子である

Dec1 and Dec2 are regulators of the mammalian molecular clock p.841

doi: 10.1038/nature01123

免疫:T細胞によるリガンド認識の直接的な観察

Direct observation of ligand recognition by T cells p.845

doi: 10.1038/nature01076

細胞:プロリルイソメラーゼPin1は遺伝子損傷毒性応答におけるp53の調節因子である

The prolyl isomerase Pin1 is a regulator of p53 in genotoxic response p.849

doi: 10.1038/nature01116

細胞:プロリルイソメラーゼPin1は遺伝子損傷後のp53の機能を制御するメカニズムを明らかにする

The prolyl isomerase Pin1 reveals a mechanism to control p53 functions after genotoxic insults p.853

doi: 10.1038/nature01120

細胞:ショウジョウバエの後成的転写制御因子Ash1によるヒストンのメチル化

Histone methylation by the Drosophila epigenetic transcriptional regulator Ash1 p.857

doi: 10.1038/nature01126

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