Letter

化学:氷の非結晶間の転移の伝播と液体―液体臨界点

Nature 419, 6907 doi: 10.1038/nature01106

水は豊かな準安定相挙動を示し、その中には、高密度と低密度の無定形氷間の転移や、高密度と低密度の過冷却液体間の転移も含まれる。こうした転移は、結晶氷が安定相である条件下で起こるので、直接調べることは難しい。液体の場合には、低温での相互変化が連続的なのか、それとも不連続的であり結晶化せず準安定な仮想的な水の第二臨界点で相互変換が起こらなくなるのかは不明のままだ。無定形氷は液体よりも実験がしやすく、相互変化は急激で可逆的だと示されている。しかし、これらの研究は非平衡条件で行われたため、結果を熱力学的にきちんと解釈するのは困難だった。今回我々は、ラマン分光法と目視観察により、高密度から低密度への無定形氷の変化の際、相境界(両方の氷が混在した領域)が伝播することを示す。変化が進むにつれて、また、変化の温度が高いほど、境界領域は狭くなることがわかった。これらの知見は、氷の非結晶間転移が不連続的であることを強く示唆する。連続的変化は試料全体にわたって均一に起こるはずだからだ。無定形氷の構造は過冷却水に似ているため、我々の結果は、液体も低温で不連続的に変化することを意味し、液体―液体臨界点理論を支持する。

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