Letter

宇宙:木星を取り巻くイオからのガス雲

Nature 415, 6875 doi: 10.1038/415994a

いくつかの惑星探査ミッションにより、木星周辺には高エネルギーのイオンと電子が数多く存在することが報告され、例えば相対論的電子は木星から数天文単位(AU)のところまで観測される。高エネルギー(>30keV)中性粒子の集合も報告されたが、この粒子の質量や荷電状態を観測機器によって判定できないので、高エネルギー中性原子と呼ばれている。微量元素のナトリウムの存在を示す画像が得られたが、その供給源と中性原子の同定、そして木星の磁気圏からの荷電粒子の消失に対する中性原子の役割は解明できていない。本稿では、カッシーニ探査機によって、木星から0.5天文単位を超える範囲に拡がる高速(>103km s-1)で高温の磁気圏の中性風が発見され、さらには太陽風の電場によって加速された(高温および低温の)高エネルギー中性原子が発見されたことを報告する。我々は、これらの中性原子がイオの火山ガスから発生し、さまざまな電磁相互作用を通じて著しく変化し、木星の磁気圏を逃れ、その後木星を取り巻く環境の一部となったと考える。このようにして木星半径の数百倍にわたって広がる「雲」が形成されたのである。

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