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生態:好気性で酸素非発生型の海洋光合成細菌には予想外の多様性が見られる

Nature 415, 6872 doi: 10.1038/415630a

バクテリオクロロフィルa(Bchla)を持つ好気性酸素非発生型光合成細菌は、増殖にもBchla生合成にも酸素を必要とする。最近の研究報告では、これらの細菌はプランクトンの形で海洋に広く分布しており、海洋表層の光合成による電子輸送の最大5%を担い、海洋微生物全体の最大11%を占めている可能性が示唆されている。既知の浮遊生活性の酸素非発生型光合成細菌は、プロテオバクテリア綱のa亜綱の中にある少数の限られた分類群に属している。本稿では、自然環境に生息している海洋細菌の光合成遺伝子の内容とオペロン構成のゲノム解析について報告する。これらの光合成遺伝子クラスターには、これまで海洋環境では見つかっていなかったβ亜綱に属するプロテオバクテリアの遺伝子に最もよく似た遺伝子がいくつか含まれていた。また、これらの光合成遺伝子は、海洋プランクトンに広く分布しており、沿岸域の細菌プランクトン群で活発な発現が見られた。このことからすると、今回新たに同定した光合成細菌は光合成能を備えていると思われる。我々のデータから、浮遊生活性細菌の群集は、これまで言われてきたように、1つの綱に含まれる多種類の非酸素発生型光合成細菌で構成されているのではないことが明らかとなる。これらの群集は光合成活性をもつが、系統の離れた複数の細菌群を含んでおり、その中には既知の培養された種類とは異なる系統もいくつか含まれている。

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