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遺伝:植物病原体Ralstonia solanacearumのゲノム配列

Nature 415, 6871 doi: 10.1038/415497a

青枯病菌Ralstonia solanacearumは大きな被害をもたらす土壌感染性の植物病原菌で、世界中に分布し、宿主の範囲が例外的に広い。この菌は、細菌の病原性を支配する決定因子を分子レベルで解析するモデル系となっている。ここでは、GMI1000株の全ゲノム配列とその解析結果を報告する。5.8メガ塩基(Mb)のゲノムは、2つのレプリコン(3.7Mbの染色体と2.1Mbのメガプラスミド)に分かれている。両レプリコンとも、遺伝子の水平伝播による獲得があったことの証拠となるモザイク構造をもっている。GC含有率のゆがみに結びつく可動性遺伝因子を含む領域が、ゲノム進化に重要な働きをしているらしい。このゲノムには、病原性に関わっている可能性のあるタンパク質の遺伝子が多数含まれている。特に、接着因子と推定されるものが多数同定された。菌に備わる3型タンパク質分泌系のエフェクタータンパク質をすべて調べることも可能になり、40を越す候補タンパク質が見つかった。他のゲノムとの比較から、3型に依存した特殊なエフェクターは、植物病原菌と動物病原菌とでは異なった組み合わせで備わっていることが示唆される。

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