Nature

Cover Story: チャネルの切り替え:オルガノイドやアセンブロイドによって、ティモシー症候群の治療候補を検証するモデルが得られた

Nature 628, 8009 (2024年4月25日)

ティモシー症候群は、心臓の障害、自閉症、てんかんを特徴とするまれな遺伝性疾患で、変異型のCACNA1Cが原因である。この遺伝子は、カルシウムイオンチャネルをコードしている。今回S Pașcaたちは、この変異によって生じた欠陥を修正してティモシー症候群を治療できる可能性がある戦略を提示している。彼らは、変異を持つタンパク質コード配列が使われるのを減らし、他の塩基配列が使われるようにすることを目的とした、アンチセンスオリゴヌクレオチドを開発した。次に、ティモシー症候群の患者から集めた幹細胞から得た三次元(3D)組織モデル(皮質オルガノイドと前脳アセンブロイド)で、この方法を検証した。著者たちは、この方法が機能することを確かめた後、新生仔ラットの大脳皮質に皮質オルガノイドを移植し、欠陥遺伝子によって生じたカルシウムの問題とニューロンの構造的な問題がアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた治療によって修正されたことを示すことができた。表紙は、ニューロンの成長によく似た氷のパターンを、ドローンで撮影した写真である。

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Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

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