Press release

NPGがクリエイティブ・コモンズに対する支援を強化

2011年1月10日

ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)とクリエイティブ・コモンズ(CC)は、CCの活動を支援する目的で締 結された契約について発表します。NPGは本日、CCに対して、年1回、寄付金を贈呈することを約束しました。NPGが保有するジャーナル20誌におい て、オープンアクセスでの論文出版でArticle Processing Charge(APC)の支払いがあれば、1件当たり20ドルとして、その総額が寄付されます。ただし、この寄付金の上限額は、年間10万ドルとします。

NatureとNPGのEditor-in-ChiefであるPhilip Campbellは、次のように話しています。「研究成果の伝播という点で真の価値をもたらす人々が、できるだけ多くの人々のアクセスを得ようとする場 合、同時に権利保護を図ることも絶対に必要です。CCはこの精神に対して重要な貢献をしており、私は、NPGがこの方向での支援を強化することを喜ばしく 思っています」。

NPGは先週、最新のオープンアクセス誌Scientific Reportsで出版される研究論文につ いて、APCの支払い1件当たり20ドルをCCに寄付することを発表しました。本日発表の寄付金は、それに続くものです。なお、NPGは、CCの現在の募 金運動に対して1万5560ドルを寄付し、CCに対する支援強化に弾みをつけています。NPGは、2005年に論文著者によるオープンアクセス出版をス タートさせ、2010年末までに778編の論文がオープンアクセスで出版されました。各論文について支払われたAPCを20ドルとし、その総額である1万 5560ドルが寄付されました。

NPG事業開発担当ディレクターのJason Wildeは、次のように話しています。「NPGは、引き続きオープンアクセスに力を注いでいますが、今回の決定もその一環です。弊社をはじめ、多くの出 版社がオープンアクセスのコンテンツに対してCCライセンスを利用しています。そのため、オープンアクセスの背後にある法的枠組みを支援することが大事だ と考えています」。

2011年1月現在、NPGは、オープンアクセスを選択できるジャーナルと全面的にオープンアクセスのジャーナルを合計 45誌発行しています。そのうちの20誌は、NPGが100%所有しており、CCを支援するための契約はこれら20誌に適用されます。NPGは、各ジャー ナルでオープンアクセス出版する際に支払われるAPCについて、1件当たり20ドルをCCに寄付します。現在NPGは、出版提携先の大学や学会との間で話 し合いを進めており、合意が得られれば、この寄付プログラムは今後、学会機関誌にも適用されることになります。

Cathy Casserly氏(クリエイティブ・コモンズCEO)は、次のコメントを寄せています。「多くの人々が知識を共有でき、改変できる環境を整備することに 対するNPGの尽力は、それ自体、称賛に値します。そして、NPGがCCの活動を経済的に支援する革新的な行動をとっていることをとてもうれしく思ってい ます。CCのツールを使えば、適法かつ容易に知識の共有ができます。私たちの活動に対するNPGの支援は、オープンアクセスに秘められた可能性の実現に NPGが深く献身していることの現れです」。

オープンアクセス論文の著者は、無料でCCネットワークの会員になれます。CCに入会すると、オープンなシステムにはイ ノベーションを高める力があると考える人々とのネットワークを利用できるようになります。CCネットワークでプロフィールを作成すれば、国際的なオープン アクセスの支援者や著名な思想家のコミュニティーに著者の研究成果を広めることができます。入会を申し込む場合は、自らの研究論文のDOIを付して、CC の担当者に連絡してください。2005年から2010年末までにNPGのジャーナルで出版された、すべてのオープンアクセス論文の著者に入会資格がありま す。

現在、NPGの出版ポートフォリオに含まれるジャーナル88誌の51%において、オープンアクセスを選ぶことができま す。これに加えてNPGは、43誌について、出版ライセンスを遵守したセルフアーカイビングを推奨しており、PubMed CentralとUK PubMed Centralに対する論文寄託サービス(無料)を行っています。NPGのオープンアクセス活動と方針に関する詳しい情報は、NPGのオープンアクセスに関するステートメント2011年1月をご覧ください。

※本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。
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