注目の論文
【遺伝学】ペキンアヒルのゲノム解析
Nature Communications
2018年7月18日
Genetics: Pekin in to the duck genome
ペキンアヒルのゲノム解析が行われ、白い羽毛と大きな体サイズに関連する遺伝的変異が同定されたことを報告する論文が、今週掲載される。この新知見は、ペキンアヒルにおいて数百年にわたって選択されてきた特徴の一部について、遺伝的基盤の手掛かりをもたらしている。
マガモが中国中央部で紀元前500年頃に家畜化されて以降、さまざまな在来種のアヒルが作られている。その1つがペキンアヒルで、数百年にわたって人為選択が集中的に行われた。しかし、ペキンアヒルの望ましい特徴の一部(例えば、白い羽毛や成長速度)に寄与する遺伝的変異は同定されていなかった。
今回、Shuisheng Hou、Yu Jiangたちの研究グループは、マガモ40羽、中国の在来種のアヒル12種(シャオシンアヒル、ガオヨウアヒルなど)36羽、ペキンアヒル30羽のゲノムを比較した。今回の研究でHouたちは、人為選択のシグナルを同定した上で、マガモとペキンアヒルを交配して、1026羽という大集団のアヒルの交配を行った。この集団を調べた結果、ペキンアヒルにおいて白い綿羽、大きな体サイズ、飼料効率の高さに関連する遺伝的変異が2つ同定された。すなわち、MITF遺伝子の変異によって白い綿羽の説明がつくこと、また、別の変異が出生後のIGF2BP1遺伝子の持続的発現を引き起こして肉生産量の増加につながった可能性のあることが明らかになった。
doi: 10.1038/s41467-018-04868-4
注目の論文
-
4月23日
天文学:人工知能が明らかにするブラックホール周辺に生じるフレアの3DモデルNature Astronomy
-
4月19日
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
4月18日
気候変動:気候変動に伴う経済的コストNature
-
4月18日
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
4月16日
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change
-
4月12日
気候:熱波と極端な海水準上昇の同時発生で海岸線地帯に対する脅威が高まっているCommunications Earth & Environment