正しく表示されない場合はブラウザでご覧ください。
Nature Ecology & Evolution
Nature Ecology & Evolution cover
購読

Table of Contents: 2018年3月号

カバーストーリー「シマウマの新事実」

サバンナシマウマは、3種のシマウマの中で最も広範囲に分布しているが、移動経路を遮断する生息地分断によって圧迫されている。今回、集団遺伝学研究によって、サバンナシマウマの起源がアフリカ南部と特定され、個体群間の歴史的移動経路が詳細に示された。また、その亜種の分類が遺伝学的構造と一致しないことも明らかになった。

see Pedersen et al.

Image: Mogens Trolle. Cover Design: Allen Beattie.

Nature Japanとつながろう: Twitter Facebook Facebook  

注目のハイライト

20 February 2018

【ゲノミクス】チスイコウモリの特異な食餌をゲノムとマイクロバイオームが説明する

Bad blood: genome and microbiome explain vampire bats’ unusual diet

今月号の目次

Editorial | 16 February 2018

耐性とは複雑なもの…

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-018-0495-5

Correspondence | 15 January 2018

ソーシャルメディア上で野生生物の違法取引を追跡するための機械学習

Enrico Di Minin, Christoph Fink, Henrikki Tenkanen & Tuomo Hiippala

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-018-0466-x

Correspondence | 15 January 2018

生物多様性の保全は中国の一帯一路構想の基本的価値とならなければならない

Alex Mark Lechner, Faith Ka Shun Chan & Ahimsa Campos-Arceiz

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0452-8

Correspondence | 15 January 2018

豪州の哺乳類動物相には、捕食者のいない安全地帯からなる戦略的で強力なネットワークが必要である

Jeremy Ringma, Sarah Legge, John Woinarski, Jim Radford, Brendan Wintle et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0456-4

News & Views | 05 February 2018

時代を越える生物地理学

Chris Organ

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-018-0486-6

News & Views | 29 January 2018

化石と系統発生と進化する気候ニッチ

Adam C. Algar & Simon Tarr

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-018-0480-z

News & Views | 22 January 2018

気候制御が生物多様性にもたらすリスク

Phil Williamson

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0460-8

News & Views | 29 January 2018

幾重もの調節

Scott A. Lacadie & Uwe Ohler

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-018-0479-5

Perspective | 16 February 2018

生態学と進化学において拡大するオープンデータの景観をナビゲートする

Antica Culina, Miriam Baglioni, Tom W. Crowther, Marcel E. Visser, Saskia Woutersen-Windhouwer et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0458-2

オープンデータが急増しているが、データセットが多数の格納場所に分散している場合もある。今回著者らは、生態学と進化生物学におけるオープンデータの概観を示すとともに、データを再利用する際に考慮すべき重要なポイントを明らかにしている。

Perspective | 16 February 2018

生態系の多機能性を再定義する

Peter Manning, Fons van der Plas, Santiago Soliveres, Eric Allan, Fernando T. Maestre et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0461-7

生態系の多機能性という概念は、2つの異なる研究領域から出てきたものである。このPerspective論文では、基礎研究にも応用研究にも意味があると思われる2つのレベルで多機能性を再定義することにより、両領域の考え方を調和させている。

Brief Communication | 22 January 2018

有機的に保存されているエディアカラ生物相の分子化石はベルタネリフォルミスがシアノバクテリア由来であることを示す

Ilya Bobrovskiy, Janet M. Hope, Anna Krasnova, Andrey Ivantsov & Jochen J. Brocks

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0438-6

エディアカラ生物相のベルタネリフォルミス(Beltanelliformis)の標本に保存されている有機バイオマーカーから、この謎に包まれた生物が底生のコロニー型シアノバクテリアであったことが明らかになった。

Brief Communication | 22 January 2018

道具を使用するカラスの採餌効率は新機軸であるかぎ状構造によって高くなる

James J. H. St Clair, Barbara C. Klump, Shoko Sugasawa, Caitlin G. Higgott, Nick Colegrave et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0429-7

野生のカレドニアガラス( Corvus moneduloides )は、先端にかぎ状構造のある採餌道具を製作することで知られるが、今回、それを使った場合の採餌効率は、かぎ状構造のない道具を使った場合よりも高くなることが示された。

Article | 29 January 2018

エジプトで見つかった新たな竜脚類の化石から後期白亜紀の恐竜の欧州・アフリカ間での分散が明らかになる

Hesham M. Sallam, Eric Gorscak, Patrick M. O'Connor, Iman A. El-Dawoudi, Sanaa El-Sayed et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0455-5

新たに見つかったティタノサウルス類竜脚類Mansourasaurusは、アフリカ大陸のセノマニアン以降の白亜紀層から見つかった中で化石が最も完全に保存された陸上脊椎動物である。系統発生解析から、当時はアフリカと欧州の両方に生息するティタノサウルス類クレードが存在しており、両大陸間に動物相のつながりがあったことが分かった。

Article | 05 February 2018

恐竜によって明らかになった進化的放散の地理的特徴

Ciara O'Donovan, Andrew Meade & Chris Venditti

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0454-6

今回、生物地理学的モデルによって恐竜の祖先の生息場所が再構築され、1億7000万年もの長期にわたる放散過程を支えた空間的メカニズムが明らかになった。それによると、最初は移動が急速だったが、絶滅時期が近づくにつれて減速していった。

Article | 29 January 2018

気候ニッチ進化に対する内温性の影響と脊椎動物多様性の分布

Jonathan Rolland, Daniele Silvestro, Dolph Schluter, Antoine Guisan, Olivier Broennimann et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0451-9

陸上脊椎動物1万1465種の化石および現代の記録から得られた分布データと系統発生データを組み合わせることにより、気候ニッチの変化速度は外温動物よりも内温動物の方が有意に大きいことが分かった。

Article | 05 February 2018

多種共存の解析からさまざまな脅威に対する管理の結果を予測する

Ayesha I. T. Tulloch, Iadine Chadés & David B. Lindenmayer

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0457-3

多種共存のネットワーク解析から、強く結合した種は脅威の管理からより多くの恩恵を得る傾向にあること、そして、この情報を使って脅威軽減策に対する群集全体の応答を予測できることが示された。

Article | 22 January 2018

太陽放射管理の実施と停止が生物多様性に与える潜在的に危険な影響

Christopher H. Trisos, Giuseppe Amatulli, Jessica Gurevitch, Alan Robock, Lili Xia et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0431-0

気候工学は、気候変動の影響を打ち消すための戦略となり得る。気候変化速度を用いて生物多様性への影響を予測した結果、太陽放射管理の突然の停止には特別なリスクがあることが分かった。

Article | 29 January 2018

ヨーロッパブナ林の種のプールと群落の多様性は歴史と環境によって形作られている

Borja Jiménez-Alfaro, Marco Girardello, Milan Chytrý, Jens-Christian Svenning, Wolfgang Willner et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0462-6

ヨーロッパブナ林における群落形成を大陸全体の規模で解析することにより、種のプールに歴史や環境が与える影響の大きさはさまざまなスケールにわたって異なっていることが明らかになった。

Article | 22 January 2018

移動性の高いサバンナシマウマのアフリカ南部起源と隠れた遺伝学的構造

Casper-Emil T. Pedersen, Anders Albrechtsen, Paul D. Etter, Eric A. Johnson, Ludovic Orlando et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0453-7

サバンナシマウマ( Equus quagga )の全亜種の全ゲノムデータから、形態に基づく亜種分類と食い違う集団遺伝学的構造や、現代と古代の遺伝的多様性が明らかになり、全ての現生個体群がアフリカ南部起源である可能性が示された。

Article | 22 January 2018

熱帯土壌の微生物機能にリンの可給性が与える全体的な影響が群集プロテオゲノミクスによって明らかになる

Qiuming Yao, Zhou Li, Yang Song, S. Joseph Wright, Xuan Guo et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0463-5

17年にわたり熱帯林施肥実験が行われた土壌のメタゲノムおよびメタプロテオーム解析の結果、微生物群集は難分解性基質からのリンの取り出しを強化することで栄養素不足に対応するという仮説が裏付けられた。

Article | 15 January 2018

汎存性シアノバクテリアの異質細胞の機能に対する太古からの平衡選択

Emiko B. Sano, Christopher A. Wall, Patrick R. Hutchins & Scott R. Miller

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0435-9

平衡選択によって遺伝的多型が長期的に維持されることはまれである。今回、好熱性シアノバクテリアの一種において、数千万年にわたる多様化の中で、窒素固定の生理学的特性に影響を与える多型が維持されてきたことが明らかになった。

Article | 15 January 2018

16世紀のメキシコで発生した疫病の死者の遺骸から検出されたSalmonella entericaゲノム

Åshild J. Vågene, Alexander Herbig, Michael G. Campana, Nelly M. Robles García, Christina Warinner et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0446-6

16世紀にメキシコを襲った疫病の死者の遺骸から古代DNAを回収して解析した結果、欧州人の到来後間もなく発生した壊滅的な疫病は、Salmonella enterica Paratyphi Cによるもの(サルモネラ症)であったことが示唆された。

Article | 12 February 2018

除草剤耐性の進化を国家規模で促進させる複数の要因

Helen L. Hicks, David Comont, Shaun R. Coutts, Laura Crook, Richard Hull et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-018-0470-1

英国各地の農場でイネ科植物ノスズメノテッポウ( Alopecurus myosuroides )の常在度と除草剤耐性を調査した結果、耐性がこの雑草の密度を増大させており、除草剤の周期的使用や併用では耐性の進化が抑制されないことが示唆された。

Article | 29 January 2018

霊長類のCD4+ T細胞における調節エレメント集合体の動的進化

Charles G. Danko, Lauren A. Choate, Brooke A. Marks, Edward J. Rice, Zhong Wang et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0447-5

エンハンサーの進化的変化が標的遺伝子の転写にどう影響するのかはよく分かっていない。今回、霊長類のCD4+ T細胞で新生転写反応を測定することにより、エンハンサーの進化的変化の影響が転写の段階で緩和されていることが示された。

Article | 15 January 2018

雑種ゲノム形成の多様性と制約

Anna Runemark, Cassandra N. Trier, Fabrice Eroukhmanoff, Jo S. Hermansen, Michael Matschiner et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0437-7

交雑は重要な進化的過程である。今回、雑種イタリアスズメ(Passer italiae)の隔離個体群の研究から、異なる島で別々に生じた完全に機能する新規の雑種ゲノムの組み合わせが複数見いだされた。

Article | 05 February 2018

不完全変態類のゲノムからシロアリの真社会性の分子基盤が明らかになる OPEN

Mark C. Harrison, Evelien Jongepier, Hugh M. Robertson, Nicolas Arning, Tristan Bitard-Feildel et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0459-1

ハチ目昆虫とシロアリでは真社会性がそれぞれ独立に進化した。今回、チャバネゴキブリと乾材シロアリの1種(Cryptotermes secundus)のゲノム塩基配列が解読され、シロアリの真社会性の進化的特徴に関する洞察が得られた。

Article | 05 February 2018

マーブルクレイフィッシュのクローンゲノム進化と侵入の急速な広がり OPEN

Julian Gutekunst, Ranja Andriantsoa, Cassandra Falckenhayn, Katharina Hanna, Wolfgang Stein et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-018-0467-9

マーブルクレイフィッシュ( Procambarus virginalis ;別名ミステリークレイフィッシュ)は、淡水生息環境への新たな侵入種となりつつある。今回、そのゲノム塩基配列が解読され、この十脚甲殻類の進化には、ゲノム重複、三倍体性およびクローン増殖が関わっていることが明らかになった。

Author Correction | 26 January 2018

Plant spatial patterns identify alternative ecosystem multifunctionality states in global drylands

Miguel Berdugo, Sonia Kéfi, Santiago Soliveres & Fernando T. Maestre

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-017-0382-5

Author Correction | 09 February 2018

Genome expansion and lineage-specific genetic innovations in the forest pathogenic fungi Armillaria

György Sipos, Arun N. Prasanna, Mathias C. Walter, Eoin O'Connor, Balázs Bálint et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-018-0469-7

Publisher Correction | 13 February 2018

The impact of endothermy on the climatic niche evolution and the distribution of vertebrate diversity

Jonathan Rolland, Daniele Silvestro, Dolph Schluter, Antoine Guisan, Olivier Broenniman et al.

Nature Ecology & Evolution 2, doi:10.1038/s41559-018-0492-8

Nature Ecology & Evolution 著者インタビュー

後肢発生研究で見えてきた、胴の長さの進化

黒岩 厚 氏、鈴木 孝幸 氏 / 名古屋大学

地球上には、さまざまな胴の長さの脊椎動物がいる。最も短いものの 代表例はカエルで、背骨の数は8つほど。最長はニシキヘビ(ヘビ亜目)などで、 背骨は200以上あるという。名古屋大学大学院理学研究科の鈴木孝幸講師、黒岩厚教授らは、 長年、後ろ足がいつ、どこに、どのような遺伝子の働きで作られるかを調べてきた。 このほど、後ろ足を含む体の後方部分の構造を作る場所が、ただ1つの遺伝子で 決定されることを突き止め、この遺伝子の発現タイミングが、後ろ足の位置、 つまり胴の長さの多様性を生み出していることを見いだした。...more

 

Nature Ecology & Evolution 直近7日間で最も話題になった論文は?

海洋最深部の動物相における残留性有機汚染物質の生物濃縮

古代世界におけるネコの分散の古遺伝学

エジプトで見つかった新たな竜脚類の化石から後期白亜紀の恐竜の欧州・アフリカ間での分散が明らかになる

日本語のサイトへ   投稿案内
サイトライセンス購読推薦   個人購読申込 (€ 89/年)

お客様のアカウント変更・削除/メールマガジン配信停止に関して
お客様ご自身でお手続きくださいますようお願いいたします。
・ご登録された個人情報及びメールマガジン配信サービスの変更
・全てのメールマガジンの配信停止
・ご登録解約 (解約手続き後、ご登録情報が削除されます。)
https://www.natureasia.com/secure/ja-jp/profile

その他ウェブサイトに関するご不明な点はヘルプページをご覧ください。
http://mse.force.com/natureasia/?na=T&l=ja

メールマガジンについてのご意見・ご感想
Eメール送信の際は、お受け取りのメールマガジン名をご記入ください。
http://mse.force.com/natureasia/?cu=1&fs=ContactUs&l=ja&q=temp_contact_us_param&na=T

* 送信元アドレスは配信専用のため返信はできません。あらかじめご了承ください。

ネイチャー・リサーチは、Nature、Nature関連誌の出版に加えて、オープン・リサーチ、研究者や研究機関を対象としたトレーニング、カスタム出版、広告などの各種サービスを提供しています。

©ネイチャー・ジャパン株式会社
日本語翻訳文の著作権は、ネイチャー・ジャパン株式会社に帰属します。

Nature Research