HIGHLIGHTS

ブレーンワールドのバウンス

我々は「ブレーンワールド」に生きているのか? ブレーンとは、4次元の時間的超曲面である。ブレーンワールドモデルでは、ブレーン、つまり我々の宇宙は高次元のバルク時空に埋め込まれており、超弦理論において必須と考えられる余剰次元の興味深い説明となることから、このモデルは理論研究が盛んに行われている。H Maedaらは、アインシュタイン・ガウス・ボンネ重力下でのブレーンワールドの力学を分析し、現在の宇宙論的観測結果との関連を含む興味深い特徴を発見した。

EGB重力は、通常のアインシュタイン項と超弦理論において自然に生じるリッチスカラー、リッチテンソル、およびリーマンテンソルの組合せであるガウス・ボンネ項を含んでいる。Maedaらは、このように扱うと、初期特異点(ビッグバン)ではなくバウンスをもつ宇宙が生じることを発見した。さらに、最近の観測結果で示され、一般に「ダークエネルギー」の存在が原因であるとされる宇宙膨張の加速が生じる可能性が現れた。

金イオン周囲での水の核形成

荷電粒子は、水が凝結する際の核形成部位として働く。この現象は、霧箱だけでなく「人工降雨」にも長く使われてきた。しかし、核形成過程の詳細は非常にとらえにくく、J U Revelesらの金イオン周囲における水の核生成に関する理論研究によって明らかになったように、関与するイオン種の量子化学的性質に依存する。

Revelesらは、第一原理電子構造計算で、金イオンに直接結合するのは水分子2つだけであることを確かめた。さらに、次に6つのH2O分子がクラスターに加わると、2つのリングとなって、中央の[H2O-Au-H2O]+ユニットの両端に1つずつ配置されることを示した。9番目と10番目の水分子はリングの間の位置を占め、クラスターは液滴の形をとり始める。このような[Au(H2O)n]+クラスターのでき方は、複数の水分子がイオンに結合するアルカリ原子陽イオン周囲での水の核生成とは明らかに異なり、実験的に観察された結合エネルギーを説明できる可能性がある。

宇宙ひもの形成

凝縮物質から宇宙論まで、対称性が破れると奇妙なことが起こる。Kibble-Zurek機構は、線状の欠陥、つまりひもが対称性を破る相転移で生じる仕組みを説明する。しかし、ひもの形成には、特にKibble-Zurek機構が抑制されるインフレーションのブレーンモデルにおいては、J J Blanco-Pilladoらが調べた「磁束捕捉」などの他の効果が関与している可能性がある。

磁束捕捉は、ゲージ対称性が破られた場合に生じる。つまり、熱ゆらぎや量子ゆらぎに起因する確率的な磁場は、相転移後に量子化した磁束管に閉じ込められる。Blanco-Pilladoらは、3次元シミュレーションにおいて、格子理論から着想した方法を用いて、格子上に磁場を置き、緩和してひも状態にし、格子のセルからセルへ磁束線を追跡してひもをトレースした。

弦のネットワークの形成と発展を決定する重要なパラメーターは、磁場の相関長の2乗で決まる面積を通る磁束の二乗平均平方根である。磁束が大きい場合、ひもが束になるが、分岐してさらに他の束に加わるため、もつれたウェブが形成される。磁束が小さい場合は、ひもの閉ループのみが形成され、速やかに崩壊する。

効率的な画像

ほとんどのデジタルビデオプロジェクターは、光透過率(あるいは反射率)を個々に制御できる画素のアレイでできたスクリーンに光を通すことによって(あるいは反射させることによって)機能する。実際問題として、これは生み出された光の少なくとも半分がスクリーンによって遮断され利用されないことを意味する。

より効率的な方法は、アレイの各画素を透過する光量ではなく、位相を変調することかもしれない。この方法では、アレイの異なる部分から出てくる光の干渉により画像が形成され、原理的にほとんど損失がない。

J Glückstadらは今回、所定の画像を生成するために必要な位相パターンを計算して、位相コントラスト画像投影法の開発における重要な課題の1つの解決法を実証した。彼らは、以前提案された単純なアルゴリズム(New J. Phys. 9, 132; 2007)を使用して、入射光の74%を利用するレーザーを用いたグレースケール画像投影システムを実現した。

曲げて記憶する

現代のパソコンのメモリの大部分を占めるダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)は、小さなコンデンサーのアレイに電荷の形で情報を蓄積することによって機能し、各コンデンサーには1つのトランジスターによってデータの入出力が行われる。このように単純であるため、DRAMチップの容量はチップ製造の改善に伴って増加し、価格も劇的に低下した。しかし、さらに大きな容量の要求を満たすために個々のビットの大きさを小さくすると、電荷を漏らさず十分長く蓄えておく構造を作ることは難しくなる。

J E Jangらは、シリコン基板上に隣り合って垂直に成長させた2本のカーボンナノチューブでできた電気機械スイッチを利用したメモリセル(図)を実証した。このスイッチは、2つのナノチューブと第3の電極の間に電圧を印加すると、片方のナノチューブがもう一方のナノチューブの方へ曲がって接触し電荷を移動させることによって機能する。デバイスの電荷を機械的に隔離することで、従来のDRAMのトランジスターに伴う電荷の漏れを克服できた。


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