HIGHLIGHTS

白黒の標準モデルは健在

溝からプラズモンを放つ

あらゆる金属の表面に存在する電子の集団励起は表面プラズモンと呼ばれているが、この表面プラズモンとの相互作用による光信号の操作は、プラズモニクスという新分野で期待されることの1つである。この相互作用の制御や表面プラズモンの操作は順調に進歩しているが、光ビームの能動制御を実証した研究はほとんどない。

このギャップを埋めるため、D Pacificiらはプラズモンを利用した全光変調器を実証した。この変調器では、ある波長の光ビームの強度が異なる波長の光ビームの強度によって制御される。

このデバイスは、銀フィルムに平行した溝とスリットのパターンを作り、CdSeナノ粒子でコーティングしたものである。スリットを通る光の量は、溝から放たれた表面プラズモンと入射光場の干渉によって制御される。

計算用紙の裏

アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼン(EPR)による不完全性の主張を考える場合、おそらくほとんどの物理学者は、最初は絡み合っていた2つのスピンが分離するのを頭に描くだろう。スピン変数に関するEPRパラドックスの式は、1951年にD Bohmによって初めて発表されたが、1935年の初めてのEPR論文(著者はボリス・ポドルスキーとなっている)では、位置変数と運動量変数を用いている。これは、後にアインシュタインが単独で著したEPRパラドックスに関する4つの論文のいずれでも同じである。

T Sauerは今回、アインシュタインが1枚の計算用紙の裏に残したメモを発見したと報告している。そのメモには、不完全性の主張がスピン変数によって定式化されている。原稿に日付は付いていないが、エルサレムのアルバート・アインシュタイン・アーカイブが有する1,800ページの計算用紙の中からメモを発見したSauerは、1954年の終わり頃か1955年の初めに書かれたと推測している。もしそうだとすれば、これはアインシュタインによる不完全性の主張の最も新しいバージョンとなり、量子力学全般についてアインシュタインが遺した最後の言葉のひとつとなる。

化学物質を積み込んださいころ

磁場を使用して小さな磁性構造体を動かせることは、高周波磁場を照射すると金属が発熱することと同様に意外なことではない。しかしH Yeらは、これらの基本的な要素を組み合わせてナノリットル程度の量の化学物質を送達する遠隔制御システムを作製した。

Yeらは、微細加工した磁性コンテナ(一辺の長さが200 mの金コーティングしたニッケル製の立方体)に化学試薬に浸したゲルを入れた。磁気スタイラスを使用して、コンテナを目的の位置に移動させることができた。移動後、高周波磁場を照射し、渦電流を生じさせた。これに伴う熱によって、カプセルに入ったゲルが柔らかくなり、化学物質を放出した。

この方法の可能性、特にこの方法によって得られる良好な空間制御を実証するため、Yeらは2つのコンテナを使用して細いワイヤーのギャップに感光剤と活性剤を連続して送達し、破損を修復した。

テクニカラーが見つからない

白黒の標準モデルは依然として有効である。フェルミ研究所のDØ実験の最新結果は、「テクニカラー」の証拠を示さない。テクニカラーは標準モデルを超える仮説であり、スカラーヒッグズ場を導入せずに電弱対称性の破れおよびWボソンとZボソンの測定質量を説明するために、強い相互作用をうまく説明する量子色力学に沿って作られたモデルである。この理論が正しければ、「テクニフェルミオン」という新たなフェルミオンの間に新たな強い相互作用が働いているはずである。

V M Abazovらは、高エネルギーの陽子反陽子衝突のデータを使用して「テクニパイオン」(標準モデルのよりありふれたパイオンに相当するテクニカラー粒子)の証拠を探した。テクニパイオンは、崩壊してチャームクォークとボトムクォークになると予測される。これらはそれぞれ、DØ検出器に独特な痕跡を残す。しかし、Abazovらは、既存の標準モデルによって説明できないものは何も発見できなかった。彼らの結果は、テクニカラーを完全に否定するものではないが、ヒッグス粒子の探求にはまだ余地があるように思われる。

粉塵推進

ロケット燃料は、地球周回軌道へ宇宙機を進ませるために重要である。しかし、長期間にわたり宇宙機の軌道を調整するために燃料が十分に残っていなければならないとすれば、燃料が重くなりすぎる。これは、ヨーロッパのSMART-1衛星のイオンスラスター(写真)のように太陽エネルギーで動く電気推進システムを使用することで解決できる。

イオンスラスターは、大きな電場の下でイオンを加速して宇宙機の後方に放出し、宇宙機を秒速数百キロメートルの速度に徐々に加速する。しかし、このスラスターは複雑で、精度が乏しく高価なため、多くの民間衛星用途には実用的ではない。今回、K AvinashとG P Zankは、より簡単な代案を示している。彼らは、粉塵を高温プラズマに注入すると、熱エネルギーによって塵粒がイオン化し、電位勾配が生じて排気口から押し出すことができると提案している。AvinashとZankの計算では、このような装置は従来のイオンスラスターより優れた電力効率で10~30 uNの推力を達成するはずであることが示されている。


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