HIGHLIGHTS
ngeo.2007.34
地球化学:鉛についての手がかり
(英語版はこちらから)
Ninad Bondre
© Paul Morin (University of Minnesota) |
これまで謎であった海洋玄武岩の鉛同位体組成は、沈み込んだ海洋地殻からその上にあるマントルウェッジへの鉛の移動によって支配されている
鉛へのウランおよびトリウムの同位体放射壊変系は、半減期が約40~140億年と広範囲であるため、大陸地殻の抽出および再利用の追跡に広く利用されているが、関連し合う多くのパラドックスによって謎めいたことになっている。最近のマントルのモデル研究が、鉛循環の複雑性をひも解く一助になる。
ハーバード大学のR O’Connellら1は、固体地球の4つのリザーバー(上・下部地殻、枯渇マントル、下部マントル内)における地球化学的不均質性の形成、進化、および破壊を数値的にシミュレートしている。沈み込む海洋地殻から鉛の約60%がマントルウェッジに移動すると仮定した場合、このモデルは利用できるデータを最もよく説明することを、彼らは明らかにしている。研究者らは、それ以下では現存する不均質性が(例えば火山噴火で)最終的に混合され、岩石試料に現れなくなる臨界長スケールを決定している。彼らは、中央海嶺玄武岩が、海洋地殻など少数の大規模リザーバーおよび臨界長よりも小さいすべての不均質性から成るバックグラウンド物質の混合物から構成されることを明らかにしている。
さらにこのシミュレーションは、これまで仮定されていた明確な原始マントルリザーバーが、実際は、よくかき混ぜられたマーブルケーキに似たこのバックグラウンド物質に相当する可能性があることを示唆している。
出典1. Kellogg, J. B., Jacobsen, S. B., & O’Connell, R. J. Modeling lead isotopic heterogeneity in mid-ocean ridge basalts. Earth Planet. Sci. Lett. 262, 328–342 (2007).
