HIGHLIGHTS

ngeo.2007.31
氷圏:海氷の大融解
(英語版はこちらから)
Alicia Newton

Sputnik specialMining the Moon?
© 2007 AGU

北極海を覆って断熱材の役目を果たしている氷蓋の消失による海氷の減少の加速は、現在では定量化することができる

外洋の水は、海氷のほぼ10倍以上の日射を吸収する。これは、アイスアルベドフィードバックとして知られている現象である。近年、夏季に起こる北極海の海氷範囲の減少は、部分的には、新しく氷が溶けて開かれた海洋に吸収された熱の増加によるものかもしれない。

米陸軍ERDC寒冷地研究・技術研究所(CRREL)のD Perovich1らは、1979年から2005年までの北極海における海氷量と日射に関する一連の衛星観測結果を用い、不凍海が吸収する熱量を推定した。海氷の縮小により、海洋での熱吸収が増加すると科学者らは予測していたが、その影響を定量化することができる研究報告はほとんどなかった。Perovich率いる研究チームは、北極海の大部分が1979年以来ずっと、より多くの熱を吸収していることを発見した。米国アラスカ州沿岸付近のチュクチ海のような海域では、最高で年間4%の増加を記録した。

26年間にわたり、北極海は最大で9,300 km3の海氷を溶かすほどの熱をさらに吸収したことになる。また、北極海の海洋上層に蓄えられた大量のエネルギーが、次に来る冬の間に海氷が再凍結するのを遅らせる、あるいは防げる可能性もある。

出典

1. Perovich, D. K. et al. Increasing solar heating of the Arctic Ocean and adjacent seas, 1979-2005: Attribution and role in the ice-albedo feedback. Geophys. Res. Lett. 34, L19505 (2007).