リサーチハイライト

Nature Chemistry
Published online: 27 May 2008 | doi:10.1038/nchem.14

Subject Categories: 有機化学 | 合成

天然物合成:ラジカルで救われる

Stephen Davey

新しい指向性ハロゲン化反応によって希少海洋天然物の合成が可能になり、その生物活性の詳細研究への道が開かれる。

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© 2008 ACS

天然物合成を始めるもっともな理由がいくつかある。新しい反応法を実際にテストするために天然物合成が利用されうるし、当の化合物が興味深い生物活性をもっているためかもしれない。あるいは、途中で新しい化学的性質が得られることを期待して研究室で複雑な分子構造体を作るという、純粋な目標のためかもしれない。単独の全合成にこれら3つの目標がある場合、とりわけ注目に値する。

(+)-cortistatin Aは、血管形成を阻害する(一部の新薬で望まれる特性)など、興味深い生物活性を確かに示すが、天然物からはごく少量しか得られない。今回、スクリプス研究所(米国カリフォルニア)のP Baranらは、安価な市販の出発物質プレドニゾン(ステロイド)から(+)-cortistatin Aを合成した1。Baranらのチームは、合成においてメチル基の酸化が鍵となるステップであることを突き止めたが、この系では既知の方法はうまくいかなかった。この問題を克服するために、Baranらは、cortistatinの中心にある7員環を環拡大でつくるカスケードの出発点として、アルコール指向性ラジカル二臭素化を選んでいる。

通常とは異なり、得られた化合物を天然サンプルと比較することはできなかった。天然由来化合物のストックが非常に少ないため、進行中の生物学的研究に支障が出るおそれがあるためである。今回の合成では、キログラム単位で入手可能な出発原料から、関連構造体の特性を容易に調査できる経路を使って、(+)-cortistatin Aが全収率3%で得られている。

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英語の原文


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Reference

  1. Shenvi, R. A., Guerrero, C. N., Shi, J., Li, C.-C. & Baran, P. S. Synthesis of (+)-cortistatin A. J. Am. Chem. Soc. doi: 10.1021/ja8023466 (2008). | Article |


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