Nature Physics 2,364 (2006) | doi: 10.1038/nphys354
冷蔵庫へのランダムウォーク
熱ゆらぎは通常、低温で小さな物体を測定する場合には邪魔である。
しかし、C van den BroeckとR Kawaiは、その利用法を発見した。彼らは冷却メカニズムとして熱ゆらぎを利用することを提案している(Phys. Rev. Lett. 96, 210601; 2006)。
van den BroeckとKawaiによる冷凍法の概念は、上下に仕切られたタンクの上側にある矢じりに似た三角形のウェッジと下側のタンクにあるこれに堅く連結したフラットパドルで構成されるブラウンモーターをベースにしている。ウェッジとパドルは一体となって水平に動く。粒子はパドルにランダムに衝突するが、上側のタンクでは、運動量はウェッジによって非対称に散逸する。正味の運動量は矢じりの方向に運動を引き起こす。
外力がこの方向に反してこのブラウンモーターを移動させると、系はこれを相殺するように反応する(ルシャトリエ・ブラウンの原理)。言いかえれば、この系は上側のタンクからの熱流を誘起して、下側のタンクの温度を上げ、上側のタンクを冷却する。van den BroeckとKawaiは、直径0.1μmの水タンク(これは脂質二分子膜内の分子には十分な体積である)では毎分1°C冷却されると算定している。
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