Nature Physics 2, 217 (2006) | doi: 10.1038/nphys279
ねえ、聞こえた?
蝸牛管は内耳にある渦巻状で先細の管で、人間の音声認識において中心的な役割を果たしている。
蝸牛管には基底膜があり、その段階的な力学的性質により入って来る音を周波数成分に分解することができる。蝸牛管の開口部に近いところでは基底膜は周波数の高い音に対して感度が高く、蝸牛管の奥へ移動するにつれて感度が高くなる周波数は低い方へ連続的に変化する。
蝸牛管特有の曲率の役割は全くわかっていない。しかし、D Manoussakiらは、巻き貝の形をした構造が音波を束ね効果的に増幅していると主張している(Phys. Rev. Lett. 96, 088701; 2006)。
この効果は「ささやきの回廊」現象を思い出させる。これは例えばドーム壁の近傍に音波が閉じ込められる現象である。Manoussakiらは、同様に、曲率が減少する境界からの反射によって音波のエネルギーが次第に外壁に集束されることを示した。これは蝸牛管の頂部方向で最も顕著であり、周波数の低い音を処理する仕組みにこの効果が最も大きな影響を及ぼしていると思われる。
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