NPG Nature Asia-Pacific について
NPGネイチャー アジア・パシフィックは、近年、アジア太平洋地域で発表される研究論文が急増していることを受けて、2006年1月にトレーディングネームとしてスタートしました。登記名のネイチャー・ジャパン株式会社は、Nature を発行するため、ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)の日本法人として1987年に東京で設立されました。弊社には、アジア太平洋地域の各オフィス(東京、香港、メルボルン、デリー)のNPGのスタッフが結集しています。スタッフ数は大幅に増え、2009年5月現在で80人となり、設立当初の3倍を超えました。
弊社では、ネイチャー・ジャパンの販売、マーケティング、編集活動による強固な基盤の上に、数々の新規出版事業が行われてきました。NPGのいくつかの出版事業に対応したもの、あるいは、弊社独自の新規事業もありました。
最も新しいNPGのリサーチ誌の1つが、2007年1月創刊の Nature Photonics です。編集制作業務を含む編集チームの中核が東京に置かれ、編集機能を有するサテライトオフィスがロンドンにあります。それまでネイチャーのリサーチ誌の編集拠点は、英国か米国に限られていました。
Nature Photonics の編集チームの中核が東京に設置された理由としては、日本とその周辺のアジア各国がフォトニクスの産業的研究と学術研究で急速に力をつけてきていたことがあります。2006年10月創刊の Nature Nanotechnology の場合も、同じような理由から、エディターと編集顧問が東京に常駐しており、それぞれ中国語と日本語でのコミュニケーションができます。
Nature Photonics と Nature Nanotechnology のエディターは、アジア太平洋地域全域の研究者との人脈作りを進め、それぞれのジャーナルにおいてトップクラスの研究論文の投稿を働きかけ、投稿論文の査読に関与するアジア太平洋地域の研究者を増やし、Nature Photonics と Nature Nanotechnology の各誌上で取り上げるため、地域のジャーナルや会議で発表された最高レベルの研究を発見すべく努力を続けています。
NPGは、Nature ブランドのジャーナルに加えて、さまざまな学術学会や団体のために数多くのジャーナルを発行しています。こうしたジャーナルの本拠は、最近まではヨーロッパと米国に限られていましたが、弊社は、アジア太平洋地域向けの学術ジャーナルプログラムを始動させました。このプログラムは、東京に常駐するNPGアジア太平洋地域アソシエート・ディレクターが統括して、メルボルンのアソシエート・パブリッシャーが運営し、東京・メルボルン両オフィスに補助スタッフが配置されています。
2006年1月、このプログラムに最初に加わったのが、中国で最も高いインパクトファクターを有するジャーナル Cell Research です。2007年1月にはオーストラリアとニュージーランドの Immunology and Cell Biology、2009年1月より日本の Journal of Human Genetics、Hypertension Research、Journal of Antibiotics と中国の Acta Pharmacologica Sinica、Asian Journal of Andrology が加わり、合計7誌となりました。2010年1月からは、日本の Polymer Journal(Polymer Journal に関するプレスリリース参照)と中国の Cellular and Molecular Immunology も加わります。
アジア太平洋地域で最高レベルのジャーナルを選び出し、共同発行を通じて、その品質とインパクトを高めることが、このプログラムの目的です。この目的を達成するため、NPGの編集と出版に関する専門知識を活用し、強力なウェブサイトである nature.com がホストとなって、このようなジャーナルを公開します。nature.comは、約5,000万ページの月間ページダウンロード数を誇っています。例えば、Cell Research のインパクトファクターは、2005年には1.9でしたが、NPGとのパートナーシップ契約を締結した2008年には、4.2に上昇しました。
弊社は、NPGが2006年にスタートさせたメディカル・コミュニケーションの新ユニットMacmillan Medical Communications(MMC)の事業を先頭に立って推進してきました。この社名は、NPGの親会社である Macmillan Publishers Ltd. がもとになっています。
東京でのMMCの事業は急成長を遂げ、2006年7月設立後の初年度に黒字化を達成しました。
MMCは、戦略的なメディカル・コミュニケーションのエージェンシーで、製薬業界とヘルスケア業界のパートナー企業のためにカスタマイズされた製品やサービスを提供し、NPGの高品質な医学関連コンテンツの強みを生かしています。
その事業内容としては、例えば、製薬会社がスポンサーとなって医学界向けに無料頒布するNPGメディカルジャーナルの翻訳版の制作や、製薬業界とヘルスケア業界向けのカスタマイズされた製品やサービスの制作があります。
東京でのMMC事業が成功したことを受けて、2007年7月にはMMCの新しい部門がマドリッド(スペイン)に設立され、ヨーロッパとラテンアメリカでの現地語によるメディカル・コミュニケーション事業を開始しました。
弊社が先鞭をつけた、もう1つの事業は、アジア太平洋地域の研究機関や研究団体向けのカスタム出版サービスの提供です。近年、アジア太平洋地域で発表される研究論文が量的にも質的にも大きく伸びましたが、世界の科学コミュニティーにおいて、同地域の一流の研究グループや研究機関の認知度は伸び悩んでいます。2009年4月、こうしたカスタム出版サービスは、NPGの新部門であるMacmillan Scientific Communications(MSC)の下に再編されました。
東京のMSCでは、アジア太平洋地域のさまざまな研究機関や研究グループと連携し、NPGの出版、編集、マーケティングのスキルを活用しながら、それぞれの研究機関やグループが発表する最高レベルの研究の認知度を高めるため印刷版と電子版の刊行物制作にあたっています。その最初の例は、日本で有数の研究機関である理化学研究所のために2006年6月に発行開始した RIKEN RESEARCH です。また、2007年12月には、弊社とアジア太平洋分子生物学ネットワーク(A-IMBN)が共同制作したウェブサイトが natureasia.com 内に開設されました。このウェブサイトは、A-IMBN Research と呼ばれ、A-IMBNの約300人の会員と18の会員機関が発表した最高レベルの研究論文を選りすぐって掲載しています。アジア太平洋地域のさまざまな機関や団体の支援により、A-IMBN Research には無料でアクセスできるようになっています。
また、2008年4月には、東京工業大学と提携して、NPG Asia Materials を開設し、アジア太平洋地域における最高クラスの材料研究の成果を紹介しています。
これと流れを同じくする新事業として、弊社は、NPG本社(英国ロンドン)、NPGのウェブチーム(米国)と共同で、中国本土と香港で発表される最高レベルの研究成果を精選して取り上げるウェブサイト Nature China を開設しました。Nature China は、nature.comをホストとし、弊社の香港オフィスが運営しています。また、2008年1月には Nature India ウェブサイトが開設され、デリーオフィスが運営にあたっています。
弊社は、こうした数々の出版事業を通じて、アジア太平洋地域における最高レベルの研究について、その注目度と認知度を急速に高めるためのお手伝いをしています。
以上のような新規出版活動の基盤となっているのが、販売活動の力強い持続と拡大です。弊社は、その販売活動により、NPGジャーナル(印刷版・電子版)へのアクセス、NPGの刊行物(印刷版・電子版)での広告掲載などのサービスをアジア太平洋地域の研究機関や科学者に向けて提供しています。
デイビッド・スウィンバンクス(PhD)
パブリッシングディレクター
ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)
NPGネイチャー アジア・パシフィックCEO
2009年5月
