【遺伝学】コーヒー好きは苦味の知覚に影響されているかもしれない
Scientific Reports
2018年11月16日
一人一人が苦みのある物質をどう知覚するのかは、特定の遺伝子群を有していることと関連していることが分かっている。このほど、こうした苦味の知覚の仕組みがコーヒー、紅茶またはアルコール飲料の好き嫌いに影響を与えることが、今週掲載の論文で明らかになった。
一人一人が苦みのある物質をどう知覚するのかは、特定の遺伝子群を有していることと関連していることが分かっている。このほど、こうした苦味の知覚の仕組みがコーヒー、紅茶またはアルコール飲料の好き嫌いに影響を与えることが、今週掲載の論文で明らかになった。
その結果、カフェインの苦味に対する感受性の高さ(特定の遺伝子の存在によって判定)がコーヒー消費量の多さと関連している一方、PROPとキニーネの苦味に対する感受性の高さはコーヒー消費量の少なさと関連していることが判明した。また、カフェインの苦味に対する感受性が高いほど、コーヒーを大量に消費する可能性がより高いことも分かった。紅茶に関しては、逆の関係が成り立っていて、PROPとキニーネの苦味に対する感受性の高さは紅茶摂取量の多さと関連していたのに対し、カフェインの苦味に対する感受性の高さは、摂取量の少なさと関連していた。アルコールに関しては、PROPの苦味を強く知覚する被験者はアルコール消費量が少なかったのに対し、キニーネとカフェインの苦味を強く知覚することに明白な影響は認められなかった。
これらの知見から、遺伝的差異によって生じる苦味の知覚の差は、世の中にコーヒー好きと紅茶好きがいることを説明するのに役立つ可能性があると示唆される。
doi:10.1038/s41598-018-34713-z
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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