Perspective

薬物規制におけるリスク回避のリスク

Nature Reviews Drug Discovery 12, 12 doi: 10.1038/nrd4129

薬物は、その利益がリスクを上回る証拠が得られたかどうかという評価に基づいて、規制当局によって承認される。近年規制当局は、リスクに過度に寛容である・リスクを過度に避けている、といういずれの点でも非難されてきた。このことは、限られたデータの中(通常は、薬物承認前に得られるデータ)から、利益とリスクのバランスを決定するのが困難であることを表している。結果的に安全でなかったとなるような薬物を上市する程度に規制が寛容だと、よくない結果を招くことは明らかである。しかし、規制当局がリスクの回避し新薬が欠如することで、公衆衛生に悪影響がもたらされる可能性はよく分かっていない。本論文では、規制当局によるリスク回避が公衆衛生に与える影響について検討し、公衆衛生上の利益という観点から、規制当局によるリスクや不透明性の容認度を最適に調節するためにすべきことを述べる。

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