Advances

植物の配管工事

化石化した植物の茎の断面。青で示した部分が水を運ぶ組織。 Credit: LUDWIG LUTHARDT, MUSEUM FÜR NATURKUNDE, BERLIN. CC-BY LICENCE.

高くそびえ立つセコイアからひょろ長いつる性植物まで、植物は大地から吸い上げた水を「木部」という管状の組織を通して高い所にある葉に送っている。だが地球に出現した初期の植物は丈が数cm程度で、湿潤な環境でしか生きられず、木部はストローを束ねたような単純な構造だった。現在の生物圏が存在するのは、この配管がどういうわけか非常に複雑な構造に高度化したからだ。

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Nature ダイジェスト Vol. 20 No. 5

DOI: 10.1038/ndigest.2023.230516a