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地球に優しい自力穿孔型種まきロボット

天然の種子をヒントに、雨にぬれると自ら土壌中に潜っていくことができるロボットが設計された。その仕組みは、湿度で形が変わる木材の特性を利用している。これは、持続可能なイノベーションのシンプルでエレガントな好例だ。

木材は湿気に応じて膨張する。ぬれた松かさの鱗片（りんぺん）が閉じるのは、この性質によるものだ1。このように湿気によって形状が変化する性質は「ハイグロモーフ（hygromorph）」として知られ、植物にはハイグロモーフを利用して環境変化の感知や応答を行うものが多い。Nature 2023年2月16日号の463ページで、カーネギー・メロン大学（米国ペンシルベニア州ピッツバーグ）のDanli Luoら2は、ハイグロモーフを用いた構造を最適化することにより、効率的で持続可能な播種（はしゅ）を可能にするロボットを製作したことを報告した。その仕組みは実際の種子にヒントを得ており、材料は再生可能な天然物であるため、用が済んだロボットは安全に分解される。

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翻訳：小林盛方

Nature ダイジェスト Vol. 20 No. 5

DOI: 10.1038/ndigest.2023.230540

原文

Self-burying robot morphs wood to sow seeds
  • Nature (2023-02-16) | DOI: 10.1038/d41586-023-00396-4
  • Samuel E. Mason & Naomi Nakayama
  • 共にロンドン大学インペリアルカレッジ（英国）に所属

参考文献

  1. Reyssat, E. & Mahadevan, L. J. R. Soc. Interface 6, 951–957 (2009).
  2. Luo, D. et al. Nature 614, 463–470 (2023).
  3. Vovchenko, N., Novikov, A., Sokolov, S. & Tishchenko, E. IOP Conf. Ser.: Earth Environ. Sci. 595, 012009 (2020).
  4. Lee, S.-W., Prosser, J. H., Purohit, P. K. & Lee, D. ACS Macro Lett. 2, 960–965 (2013).
  5. Krapež Tomec, D., Straže, A., Haider, A. & Kariž, M. Polymers 13, 3209 (2021).
  6. Joosten, S., Radaelli, G. & Vallery, H. Smart Mater. Struct. 30, 025008 (2021).
  7. Song, J. et al. Nature 554, 224–228 (2018).
  8. Coyle, S., Majidia, C., LeDuc, P. & Hsia, K. J. Extreme Mech. Lett. 22, 51–59 (2018).