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電子の固体状態の画像化に初めて成功!

グラフェン層を介して撮影された、ウィグナー結晶の走査型トンネル顕微鏡像。ハニカム構造で配列し、結晶化した電子の様子がはっきりと見て取れる。 Credit: H. Li ET AL./NATURE

全ての条件がそろえば、物質内部の電子の一部はきれいなハニカムパターンに整列し、固体の中に固体を形成する。こうした電子の結晶化は、約90年前にハンガリー出身の理論物理学者ユージン・ウィグナー(Eugene Wigner)によって初めて予想され、彼の名前にちなんで「ウィグナー結晶」と名付けられた。今回、カリフォルニア大学バークレー校(米国)の物理学者Feng Wangらは、観察が極めて難しいウィグナー結晶を直接画像化することに成功し、Nature 2021年9月29日号650ページに報告した1

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翻訳:藤野正美

Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 1

DOI: 10.1038/ndigest.2022.220102

原文

This is what a solid made of electrons looks like
  • Nature (2021-09-29) | DOI: 10.1038/d41586-021-02657-6
  • Davide Castelvecchi

参考文献

  1. H. Li et al. Nature 597, 650–654 (2021).