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放射性炭素年代測定法が大幅改訂へ

放射性炭素年代測定法では、樹木の年輪年代データが較正の基礎になっている。 Credit: Tomekbudujedomek/Moment/Getty

放射性炭素年代測定法は、先史時代の試料の年代決定に欠かすことのできない重要なツールで、測定結果は較正曲線を用いて暦年代へと変換される。この較正曲線が今回、数千に及ぶ新たなデータに基づき、7年ぶりに改訂されることになった。この更新は、多くの考古学的試料の推定年代に影響を及ぼす可能性があり、例えばシベリア最古の現生人類の化石の年代は、以前の推定結果より1000年新しくなるという。今回の改訂ではまた、較正の適用限界も5万5000年前まで延長される。これは、現在使われている2013年版の限界年代よりも5000年古い。

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翻訳:藤野正美

Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 7

DOI: 10.1038/ndigest.2020.200702

原文

Carbon dating, the archaeological workhorse, is getting a major reboot
  • Nature (2020-05-19) | DOI: 10.1038/d41586-020-01499-y
  • Nicola Jones

参考文献

  1. Cheng, H. et al. Science 362, 1293–1297 (2018).
  2. van der Plicht, J. et al. Radiocarbon https://doi.org/10.1017/RDC.2020.22 (2020).