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オフターゲット効果を低減したCRISPR–Cas9系新技術
遺伝子編集は、CRISPR–Cas9の登場でゲノムを簡単に改変できるようになり、この編集ツールは大流行している。とはいえ、CRISPR–Cas9系はまだ粗削りで、エラーや意図せぬ作用(オフターゲット効果と呼ばれる)が起こりやすく、標準的なCRISPR–Cas9系でのオフターゲット効果の抑制は大きな課題となっている(2018年9月号「CRISPR法は想定外のDNA再配列を引き起こす」参照)。そうした中、ゲノム編集の制御能力の向上を可能にする新たな方法が編み出された。「プライム編集(prime editing)」と名付けられたその新しい方法では、予測できない雑多な変化を生じることなく、狙った編集結果だけが得られるようになるという。これは、特に遺伝子治療の開発に重要と考えられる。プライム編集に基づく遺伝子治療により、安全性の向上が見込まれるからだ。この成果は、Nature 2019年12月5日号149ページで発表された。
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翻訳:小林盛方
Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 1
DOI: 10.1038/ndigest.2020.200125
原文
Super-precise new CRISPR tool could tackle a plethora of genetic diseases- Nature (2019-10-21) | DOI: 10.1038/d41586-019-03164-5
- Heidi Ledford