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サメの逃げ場を奪う延縄漁

延縄の針に掛かったカマストガリザメ(Carcharhinus limbatus)。 Credit: Jeff Rotman/Photolibrary / Getty Images Plus/getty

外洋に生息するサメ類の動きと漁船の動きとの重なりを世界規模で評価した研究から、外洋性サメ類は、その生息域のかなりの部分を漁業と共有せざるを得ない状況にあることが示された。海域やサメの種類によっては、そうした重なりの度合いはさらに高くなるという。漁業がサメ類の生息域に及ぼす影響のこうした実態は、英国海洋生物学協会(プリマス)のDavid SimsらによりNature 2019年8月22日号461ページで報告された1。今回Simsらが注目したのは、「延縄(はえなわ)」と呼ばれる、1本の長い幹縄から、先端に釣り針の付いた数百本もの短い枝縄が垂れ下がった漁具を用いる漁法だ。延縄の長さは時に100kmを超え、外洋性サメ類の世界の漁獲量(混獲を含む)の大半が、この延縄漁に起因している。

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翻訳:船田晶子

Nature ダイジェスト Vol. 16 No. 9

DOI: 10.1038/ndigest.2019.190903

原文

Sharks squeezed out by longline fishing vessels
  • Nature (2019-07-24) | DOI: 10.1038/d41586-019-02265-5
  • Matthew Warren

参考文献

  1. Queiroz, N. et al. Nature 572, 461–466 (2019).