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中国にフロンの違法排出源

CFC-11は、断熱材であるウレタンフォームの発泡剤として使われてきた。こうした製品の製造や使用でCFC-11が大気中に排出されている可能性がある。 Credit: MirageC/Moment/Getty Images

トリクロロフルオロメタン(CFC-11)は、オゾン層破壊ガスであり、南半球上空の成層圏にオゾンホールを形成する作用が特に強い化学物質である。CFC-11は、以前は冷蔵庫や建材用の断熱材発泡剤として広く使用されていたが、その製造は、オゾン層を保護するために1987年に採択された国際的な取り決めである「モントリオール議定書」により、2010年までに段階的に中止された。だが2018年に、その排出量が不可思議に急増していることが報告された1。これを受けて、このほど新たな追跡調査が行われ、その結果がNature 2019年5月23日号で報告された2。その論文によると、排出源は中国北東部であるという。

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翻訳:三枝小夜子

Nature ダイジェスト Vol. 16 No. 7

DOI: 10.1038/ndigest.2019.190704

原文

Rogue emissions of ozone-depleting chemical pinned to China
  • Nature (2019-05-22) | DOI: 10.1038/d41586-019-01647-z
  • Jeff Tollefson

参考文献

  1. Montzka, S. A. et al. Nature 557, 413–417 (2018).
  2. Rigby, M. et al. Nature https://doi.org/10.1038/s41586-019-1193-4 (2019).