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酵母のゲノムシャッフリングがもたらす多様な未来

Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 8 | doi : 10.1038/ndigest.2018.180831

原文:Nature (2018-05-31) | doi: 10.1038/d41586-018-05164-3 | Synthetic yeast genome reveals its versatility

Jee Loon Foo & Matthew Wook Chang

大幅に再設計された酵母ゲノムは、オンデマンドで大規模に再配列できるよう構築されている。今回、このゲノムシャッフリング系の汎用性ならびに生物工学用途への応用の可能性を示した一連の研究が報告された。

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STEVE GSCHMEISSNER/SPL/Getty

国際イニシアチブ「酵母ゲノム合成プロジェクト」では、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の人工ゲノムの合成が進められており1、完成すれば、動物・植物や菌類を含む「真核生物」として最初の人工ゲノムとなる(2014年6月号 「酵母の染色体1本を人工合成することに成功」参照)。大規模に再設計されたこの出芽酵母の「バージョン2.0」ゲノム(Sc2.0)には、SCRaMbLE(Synthetic Chromosome Rearrangement and Modification by Lox-P mediated Evolution;LoxPを介した進化による合成染色体の再配列と操作)という系を構成するDNA塩基配列が組み込まれている。SCRaMbLE系を使えば、大規模なゲノム再配列をオンデマンドで引き起こすことができ、遺伝的な構成や特徴がさまざまに異なるSc2.0バリアントを得ることができる。そのためSc2.0は、望ましい特性を持つ酵母を作出するに当たり、酵母を容易に改変・進化させることのできる汎用的な基盤となる2。そしてこのほど、Sc2.0が酵母を操作・理解する上で計り知れない可能性を持つことを示した計7編の論文が、Nature Communications に掲載された3–9

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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