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神経の同調を回復させてアルツハイマー病を治療

Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 3 | doi : 10.1038/ndigest.2017.170327

原文:Nature (2016-12-08) | doi: 10.1038/540207a | Neural synchronization in Alzheimer’s disease

Liviu Aron & Bruce A. Yankner

アルツハイマー病では、神経回路の活動で生じる電気的振動に障害が現れる。マウスモデル でこれらの振動を回復させると、免疫細胞が活性化して、アルツハイマー病に関連するアミロイドβタンパク質が脳から除去されることが示された。

アルツハイマー病患者の脳では、アミロイドβ(Aβ)の蓄積の他に、神経回路が生み出す「ガンマ振動」の減弱が観察されていた。今回、両者に関連があることが明らかにされ、脳のガンマ振動を回復させるとAβが除去されることが報告された。 | 拡大する

JUAN GAERTNER/SPL/Getty

脳の興味深い特徴の1つは、ニューロンネットワークの同調的活動を介して電気的振動が生じることである。このような脳リズムの周波数は、遅いデルタ振動(0.5~0.3Hz)からガンマ振動(30~90Hz)、そして超高速振動(90~200Hz)までと、その範囲の幅は数桁に及ぶ。これらのリズムはこれまでに、注意、知覚、学習および記憶といった基本的な神経プロセスに関係があると考えられてきた1。さらに、脳外傷、統合失調症、アルツハイマー病などいくつかの神経障害でガンマ振動の障害が観察されている2。Hannah F. Iaccarinoら3はこのたび、ガンマ振動の障害が、アルツハイマー病の特徴であるアミロイドβタンパク質(Aβ)の脳内蓄積の要因になるかもしれないという証拠をマウスで得たことを、Nature 12月8日号230ページで報告した。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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