Nature ダイジェスト

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ハート模様に秘められた冥王星の物語

Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 3 | doi : 10.1038/ndigest.2017.170330

原文:Nature (2016-12-01) | doi: 10.1038/540042a | Pluto’s telltale heart

Amy C. Barr

冥王星のひときわ目立つハート形をした明るい領域の左半分は、「スプートニク平原」と呼ばれる霜が堆積した広大な盆地だ。この盆地は、冥王星の自転軸を変化させ、表面のテクトニクス活動を促してきただけでなく、その表面下に海をたたえている可能性もあることが、4編の論文で明らかになった。

図1 冥王星のハート模様
ニューホライズンズの望遠カメラLORRIが撮影した4枚の高解像度画像と可視光・赤外線撮像装置Ralphが取得したカラーデータを合成して得られた冥王星の全体像。今回、画像中央の、ハート形の領域の左半分に当たる明るい「スプートニク平原」に関する 4編の論文1–4が発表された。 | 拡大する

NASA/JHUAPL/SwRI

はやりの自撮り写真ではないが、2015年7月にNASAの探査機ニューホライズンズが撮影した冥王星の画像は、まさに「奇跡の1枚」だった(図1)。明るく滑らかなハート形の領域が印象的な、このとっておきの「顔」は、惑星科学者から子どもたちまで多くの人々を魅了し、2006年に惑星の地位を剥奪された冥王星への関心をよみがえらせた。そしてこのたび、科学者たちがこのハート形の領域について研究してきた成果が、Nature 2016年12月1日号に4編の論文として掲載された1-4。これらの報告からは、この領域が、凍った有害化学物質の緩やかな堆積、猛烈に冷たい風、氷殻のひび割れ、表面下に広がる極低温の海、そして天体規模の「側転」といったさまざまな要素の相互作用によって形成されたことが明らかになった。冥王星は、かわいらしい模様を身にまとってはいるものの、やはり惑星科学でつづられた物語なのだ。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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