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受容体の構造からSSRI系抗うつ剤の作用機序が明らかに

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 7 | doi : 10.1038/ndigest.2016.160733

原文:Nature (2016-04-21) | doi: 10.1038/nature17883 | Antidepressants at work

Marc G. Caron & Ulrik Gether

セロトニン輸送体タンパク質のSERTが、2種類の選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)と複合体を形成した状態の構造が解かれ、これらの薬剤が作用する仕組みが明らかになった。

オレゴン健康科学大学(米国ポートランド)のJonathan A. Colemanらは、セロトニン輸送体(SERT)タンパク質の高分解能の構造を初めて示し、Nature 2016年4月21日号334ページに報告した1。SERTは、細胞から放出されたセロトニン分子を再び取り込むことで、隣接するニューロンに与えるセロトニンの効果を調整する。SERTに詳しくない人は、その構造の解明がなぜそんなに重要なのかと思うかもしれない。それには理由が2つある。1つは、構造決定を行うためには多量のSERTを精製する必要があるが、SERTは不安定なためにそれができず、構造決定が技術的に困難であったからだ。もう1つは、このようなタンパク質の詳細な分子構造を視覚化することで、うつ病などの疾患に対するより選択的かつ、より有効な治療法を開発するまたとない機会が到来する可能性があるからである。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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