Research Highlights

抗生物質に曝露されていない民族の腸内に耐性菌

Nature ダイジェスト Vol. 12 No. 7 | doi : 10.1038/ndigest.2015.150717

原文:Nature (2015-04-23) | doi: 10.1038/520410a | Bacterial bonanza far from the West

ベネズエラの孤立民族、ヤノマミ族(写真)は、ヒトのマイクロバイオームについて報告された中で最も多様な腸内細菌を持っていることが明らかになった。

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Robin Tenison/Robert Harding World Imagery/Getty images

ベネズエラの孤立民族、ヤノマミ族(写真)は、ヒトのマイクロバイオームについて報告された中で最も多様な腸内細菌を持っていることが明らかになった。

ニューヨーク大学医学系大学院(米国)のMaria Gloria Dominguez-Belloは、西洋人との接触経験が2009年まで一度もなかったヤノマミ族34人について、口腔、糞便、皮膚の細菌を分析したところ、彼らの糞便中の細菌の遺伝子多様性は、対照の米国人の約2倍にのぼることが分かった。さらにヤノマミ族は、知られている限りでは抗生物質の使用経験がないにもかかわらず、その糞便中および口腔内の細菌には抗生物質耐性遺伝子が確認された。

また別の研究で、アルバータ大学(カナダ・エドモントン)のJens Walter、フェデレーション大学(オーストラリア・チャーチル)のAndrew Greenhillらが、パプアニューギニアの2カ所の農村地域に住む人々の腸内マイクロバイオームを調べたところ、これらの人々のマイクロバイオームは極めて多様で、米国人には見られない菌株を含んでいることが分かった。著者らは、生態学的モデルを使って、このような多様性の増加の原因が公衆衛生レベルの低さと関係すると結論付けた。一般に公衆衛生レベルが低いと、人々の間での細菌の交換の機会が増えるためだ。

Science Adv. 1, e1500183 (2015); Cell Rep. http://doi.org/3vh (2015)

(翻訳:古川奈々子)

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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