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双子の宇宙実験

Nature ダイジェスト Vol. 12 No. 4 | doi : 10.1038/ndigest.2015.150408a

宇宙滞在中の弟と地上の兄で遺伝子発現などを比較する

COURTESY OF NASA

2015年3月以降、退役宇宙飛行士のMark Kellyが一卵性双生児の弟と話すには、はるか遠くへ長距離電話をかけなければならない。国際宇宙ステーション(ISS)まで。

兄と同じく宇宙飛行士になった弟のScott Kelly(51歳)は、宇宙旅行が人間の健康に及ぼす影響を調べる研究のため、ISSに1年間滞在することになっている。Kelly兄弟はDNAが同一だから、無重量環境での遺伝子発現の変化を観察して、それを地球上の準対照と同時進行で比較するというまれな機会が得られる。この他、双子の脳内血流やマイクロバイオームの構成、細胞の老化を知らせるテロメア(染色体末端の保護キャップ)の劣化速度の比較も予定されている。

ISSに搭乗した宇宙飛行士は200人を超え、Kelly兄弟も複数回の経験がある。2000年11月に初のクルーがISSに到着して以来、宇宙飛行士が長期宇宙滞在に対してどう反応するかがずっと観察されてきた。2009年に199日間滞在したMichael Barratは「まるで逆さづりになっている気分になります」と言う。「私たちは非常に厳しい訓練を受けており、全ての任務を把握しています。特に最初の2~3週間のことはしっかり頭に入っているので、気分があまり良くない場合も訓練とチェックリストのおかげでしのげるのです」。

米航空宇宙局(NASA)は長期間の宇宙滞在が身体に及ぼす影響をすでによく把握しており、そうした症状についても双子をモニターする予定だ。

(翻訳:粟木瑞穂)

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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