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ケプラー宇宙望遠鏡、地球型惑星を多数発見

Nature ダイジェスト Vol. 12 No. 3 | doi : 10.1038/ndigest.2015.150305

原文:Nature (2015-01-06) | doi: 10.1038/nature.2015.16673 | Exoplanet bounty includes most Earth-like worlds yet

Alexandra Witze

ケプラー宇宙望遠鏡による観測データから新たに8個の惑星が確認された。その中には、これまでで最も地球に似ているものが2つ含まれている。

NASA

NASAのケプラー宇宙望遠鏡の観測データから新たに8個の惑星が確認され、ケプラー宇宙望遠鏡により存在が確認された太陽系外惑星の数は通算1000個を超えた。この8個の中には、既知の太陽系外惑星よりも地球に似た惑星が2個含まれていることが、2015年1月6日に米国ワシントン州シアトルで開催された米国天文学会の年次総会で発表された。

SETI研究所(米国カリフォルニア州マウンテンビュー)の天文学者で、この成果を発表したDouglas Caldwellは、「ケプラーは、地球型の特殊な太陽系外惑星を探るために設計された宇宙望遠鏡です。こうした惑星の発見数はどんどん増えています」と言う。

一方、NASAのエイムズ研究センター(米国カリフォルニア州モフェットフィールド)のFergal Mullallyは、Caldwellらより1年分多いケプラーの観測データを分析し、554個の太陽系外惑星候補を新たに発見したと同会合で報告した。その中には、地球の0.8~1.8倍の大きさで、太陽に似た恒星の周りを、地球の365日に非常に近い376日という周期で公転しているものも含まれている。惑星候補の多くは比較的太陽に似た恒星の周りを公転しているようだが、これらがデータの異常ではなく本物の惑星であるかの確認作業は、今後必須だ。

ケプラー宇宙望遠鏡の最終的な目的は、地球から比較的近距離の恒星が惑星を持つ割合を見積もることにあり、「地球に似た惑星の1つ1つを詳しく調べるだけでなく、そのカタログを作っているのです」とCaldwellは説明する。

データの山との格闘

ケプラー宇宙望遠鏡は、2013年5月に姿勢制御を行う4つのリアクションホイールのうちの2つ目が故障した時点で、惑星探しの仕事を基本的には終えていた。現在は、残された機能を用いて短期間のみ観測を行う「K2」ミッションという形で宇宙探査を続けている。

しかし、新しい惑星を発見するために必要なデータは、ケプラーが正常に稼働していた2009年5月からの約4年間で十分集まっており、オンラインで全て入手可能な状態にある。現在は、互いにライバル関係にある研究チームがさまざまな手法で観測データを精査した後、特に興味深い候補惑星については別の望遠鏡を用いた追跡観測を行っている。

Caldwellが所属しているのは、ハーバード・スミソニアン宇宙物理学センター(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)のGuillermo Torresが率いる研究チームだ。彼らはケプラーの3年分の観測データを解析し、地球の2倍以下の大きさで、主星のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)内を公転していると考えられる惑星、すなわち、主星から適当な距離にあり、液体の水が存在できる程度の表面温度であるような惑星の候補を探した。

多数の惑星候補を発見したTorresは次に、これらが実際に惑星である可能性について、コンピューター・プログラムを使って統計的尤度(もっともらしさ)を計算することで評価し、ハビタブルゾーンにある惑星を新たに8つ発見した。

「人々が知りたがっているのは、地球に最も似ているのはどの惑星か、ということです」とCaldwellは言う。今回報告された8つの惑星の中では、Kepler-438bとKepler-442bの2つがそれに当たる。いずれも地球よりわずかに大きく、すでに見つかっている他の地球型惑星候補よりも主星から多くのエネルギーを受け取っている。Kepler-438bは地球の1.1倍の大きさで地球から475光年の距離に位置し、一方のKepler-442bは地球の1.3倍で地球から1100光年離れている。どちらもM型矮星という低温の星の周りを公転しており、Kepler-438bの主星はKepler-442bの主星よりわずかに高温だ(主星が明るいほど、より多くのエネルギーが惑星の表面に到達し、生命が存在できる温度になる)。

かくれんぼ

他の研究では、M型矮星はこれまで考えられていたほど多くの惑星を持っていないことが示唆されている。SETI研究所のChristopher Burkeは、ケプラー宇宙望遠鏡が惑星を見つける割合について主星の温度ごとに分析しており、予備的な研究結果を同会合で発表した。Burkeは、公転周期の短い惑星が見つかる頻度が高いのは、高温の恒星よりもM型矮星の周りであることを発見した。だが、公転周期が150日以上の惑星を持つM型矮星は発見できなかったという。「ショックでした」と彼は落胆の色を隠せない。

このことが何を意味するのか、まだ完全には分からない。だが、Burkeの研究結果から確実に言えるのは、ケプラー宇宙望遠鏡による観測結果のおかげで、惑星がいつどこに現れるか当たりをつけるのに格段に正確な数字をはじき出せるようになったということだ。

(翻訳:三枝小夜子)

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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