Editorial

Nature Indexの発表にあたって

ネイチャー・パブリッシング・グループは、2014年11月4日にNature Indexを発表しました。Nature Indexは、主要科学ジャーナル68誌に掲載された論文の著者所属情報を収録するデータベースで、それらの論文における世界の研究機関の貢献度を集計しています。ジャーナルを選定したのは、自然科学の各分野から選ばれた研究者(natureindex.com/expert-advisers参照)からなる独立した委員会で、さらにその選定結果は、現役の科学者を対象とした大規模なオンライン調査によって検証されています。Nature Indexウェブサイト(natureindex.com)では、直近12カ月のデータを無料公開しており、月1回更新される予定です。

Nature Indexは、ベータ版として公開されました。つまり、ユーザーの皆様それぞれに、ベータテストとしてデータの解析と解釈を独自に行っていただき、Nature Indexの長所と短所を評価していただくという目的があります。Nature Indexの収録ポリシーやデータの解析と解釈にあたって考慮すべき注意点については、Nature 2014年11月13日号の別冊付録S52ページに掲載されている「Introducing the index」で解説しています。

これら68誌に掲載された論文の収録は、ジャーナルの選定を行った2011年から開始しています。このため、有力なジャーナルにもかかわらず選定されていないものもあります。例えば、2011年4月に創刊されたNature関連誌のNature Climate Changeは、選考時点では創刊されて日が浅かったという理由で収録対象となりませんでした。2015年には、皆様からのフィードバックを参考に、対象ジャーナルのリストを見直す予定です。

私たちは、Nature Indexについてさまざまなご意見が寄せられることを期待しています。特に、改善のための建設的な意見を歓迎します。Nature 2014年11月13日号の別冊付録(ppS49-S108)には、研究機関別・国別の論文出版状況がまとめられています。しかし、これらはNature Indexそのものでなく、直近の1年間のデータを示す実例とお考えください。

Nature Indexは、適切にご利用いただければ、重要な科学論文の生産状況を研究機関、国、地域といったレベルで理解するのに役立つと私たちは確信しています。フィードバックを、natureindex.comのウェブフォームからぜひお寄せください。

翻訳:菊川 要

Nature ダイジェスト Vol. 12 No. 2

DOI: 10.1038/ndigest.2015.150211

原文

Launch of the Nature Index
  • Nature (2014-11-13) | DOI: 10.1038/515164a