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解明が進むがん免疫療法

Nature ダイジェスト Vol. 12 No. 2 | doi : 10.1038/ndigest.2015.150230

原文:Nature (2014-11-27) | doi: 10.1038/515496a | Antitumour immunity gets a boost

Jedd D. Wolchok & Timothy A. Chan

PD-1経路の遮断により抗腫瘍免疫を回復させる免疫療法は臨床で目覚ましい成果を挙げているが、作用機序には不明な点が多い。今回、この治療法に対して特に反応性の高い患者の特徴や、この治療法が有効ながん種が新たに明らかになった。さらに、この治療法の標的が腫瘍の新抗原であることを裏付ける結果も得られた。

「免疫系ががんを制御している」とする考えは最近提唱されたものではない。19世紀末、肉腫患者の腫瘍が細菌感染後に退縮したのを目撃した米国の外科医William Coleyは、細菌の感染により患者自身が腫瘍を拒絶できるようになるという仮説を立て、加熱死菌の混合物(「コーリーの毒」)を腫瘍内に注入するというがん治療法を開発した。この治療により腫瘍の退縮が持続し、時に消失することもあるとColeyは報告しており1、これががん免疫療法(抗腫瘍免疫応答の利用)の先駆けとされている。また最近では、免疫調節の基礎となる分子機構が解明され、がん細胞が持つ「免疫監視を逃れる能力」を無効にする戦略、もしくは患者のがん進行を防ぐ戦略を考案するのに役立っている2-4

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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