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遺伝情報の転写時に、短いRNAが作られる仕組みを解明!

山口 雄輝

Nature ダイジェスト Vol. 11 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2014.141020

遺伝子の情報はいったんmRNAに写し取られるが、mRNAは「ただ写し取られた」ものではない。mRNAは作られる過程で不要な部分が切り取られたり、末端に特定の配列が付加されたりするなどの加工を受ける。山口雄輝教授は、山本淳一研究員とともに、作られるRNAの長さを適切に制御する仕組みを発見した。この発見はRNAの長さはDNAに刻み込まれているとされていた従来の概念を覆すものだ。

–– Nature ダイジェスト:東京工業大学で学ばれ、一貫してRNAを研究対象にされていますね。

山口:はい、学生としてRNAの転写反応を解析していた半田宏教授(現 東京医科大学特任教授)の研究室に入り、学位取得後も東工大に残りました。半田教授の退官後は私が研究室を引き継ぎ、現在に至ります。留学も共同研究のために短期間行っていただけなので、もう20年以上も東工大にいることになります。

遺伝情報が機能を発揮するには、遺伝子配列と相補的なmRNAが合成されなくてはなりません。この仕組みを「転写」といい、RNAを作り始める「開始段階」、合成して伸ばす「伸長段階」、合成をやめる「終結段階」からなります。このうち、開始については約30年前から研究が始まっています。今では、遺伝子の転写開始領域(プロモーター)にRNAポリメラーゼ(RNAポリメラーゼII)といくつかのタンパク質がセットされると、そこにヌクレオチドが取り込まれるようになり、mRNAの合成が開始されるといったことが分かってきました。ただし、伸長と終結については分かっていませんでした。遺伝子発現のスイッチは開始段階で制御されており、伸長段階は重要ではないとされていたからです。教科書でもほとんど触れられていませんでした。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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