News Feature

血流が運ぶ情報

循環血中に存在するDNAは、最適な活用法を見つけることができれば、がん治療の優れたツールとなりそうだ。

拡大する

GETTY IMAGES

Nature ダイジェスト Vol. 11 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2014.141022

原文:Nature (2014-07-31) | doi: 10.1038/511524a | Written in blood

Ed Yong

2012年、英国ロンドンがん研究所のCharles Swantonは、がんの最も「いやらしい」性質の1つに直面して暗たんたる気持ちになった。それは、彼の研究チームが数個の腎腫瘍から採取したDNAの塩基配列を解読したときのことであった。当初の予想は、さまざまに異なる変異が多数見つかるだろうという程度のものだった。ところが、1個の腫瘍でも、その内部には幅広い遺伝的多様性が存在していることが分かり、Swantonらはこの結果に衝撃を受けた。1個の腫瘍の端から採取した細胞と別の端から採取した細胞で変異に差異があり、腫瘍の塊全体に共通する変異の数は全変異のわずか3分の1にすぎなかったのだ。腫瘍細胞が患者体内の他の部位に拡散・定着してできた二次腫瘍(いわゆる転移がん)でも変異に差異があった1

全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。

Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

プライバシーマーク制度