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自然リンパ球の開拓者

小安 重夫

Nature ダイジェスト Vol. 11 No. 1 | doi : 10.1038/ndigest.2014.140117

リンパ球といえば、抗原抗体反応、つまり「獲得免疫」で働く主役の細胞群として知られてきた。ところが近年、「自然免疫」で働くリンパ球が次々と発見され、この新種の細胞群は、「自然リンパ球」と総称されるようになった。こうした研究の火付け役の1人である小安重夫氏(理研・統合生命医科学研究センター)に、自然リンパ球とは何か、また発見の経緯について伺った。

–– Natureダイジェスト:自然リンパ球の研究が活発化していますね。

小安:新種のリンパ球を発見した私たちの2010年の論文(オンライン掲載2009年)1によって自然リンパ球がほぼ出揃ったことを契機に、自然リンパ球への興味が研究者の間に一気に広まりました。そして、自然リンパ球の概念の整理と、細胞の整理や分類が必要になりました。2012年には、オランダの研究者の呼びかけでメール会議を行い、命名法を相談し、Nature Review Immunology2に発表しました。

自然リンパ球とは?

–– そもそも自然リンパ球とは、どのような細胞なのですか?

「自然免疫で働くリンパ球」のことです。免疫で働く細胞は皆、造血幹細胞が分化してできたもので、リンパ球系と骨髄球系細胞に大別されます(図1)。これまでリンパ球系といえば、獲得免疫で働くT細胞やB細胞がよく知られ、一方、骨髄球系細胞といえば、自然免疫で働くマクロファージや樹状細胞などが主流です。ところが最近の研究から、リンパ球でありながら自然免疫で働くものが複数見つかり、皆が驚いたのです。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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