この10年を振り返って

  • 2004

    2004年、Nature 日本語版付録として「Nature月間ダイジェスト」が創刊となりました。この年の記事を振り返ってみると、核や原子力についての記事を多く取り上げています。そのほか、DNAの二重らせん構造を発見したフランシス・クリックが逝去したこと、インドネシアのフローレス島で小型のヒト族「ホモ・フローレシエンシス」が発見されたことなども話題になりました。なお日本では、富士山のハザードマップが作られており、記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。今でこそゲノムの解読が容易になってきていますが、ラットの全ゲノムが解読されたのはこの年で、まだ当時は、ゲノム解読が難しい技術であったことがわかります。

    ピックアップ 2004

    このセクションでは、ネイチャー・パブリッシング・グループ日本のスタッフがその1年で印象に残った記事を選びました。購読者の皆様は、オンライン版 Nature ダイジェスト 2004年1月号以降のすべての記事にアクセスいただけます*。そのほかにも多数の記事がありますので、Nature ダイジェスト で10年間をぜひ振り返ってみてください。

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    • 細胞生物学や分子生物学などの競争の激しい分野では、第2位でゴールインした者に与えられる栄誉はない。しかし「ホット」な結果を一番に発表することに対する圧力は、科学の進歩をゆがめてはいないだろうか。激化する競争の現状をHelen Pearsonが報告する。

    • 果てを越えたか?

      掲載

      2機のボイジャー探査機は太陽系の境界の外側に向かって飛び続けている。そして、今回ボイジャー1号が太陽風の「端」、つまり末端衝撃波面(termination shock)に遭遇した可能性がある。しかしこれには異論がないわけではない。

    • 富士山は日本文化のひとつの象徴であり、地質学的にも最も重要な日本の特徴となっている。しかし、数年前に富士山で地震が頻発するようになるまで、科学者たちは富士山にほとんど関心を払ってこなかった、とDavid Cyranoskiは言う。富士山は再び噴火しようとしているのだろうか。

    • ラットはそのゲノム配列が明らかになり、遺伝子工学によって新たな系統ができると期待され、研究者のお気に入りの実験動物として名誉ある地位を回復しつつある。Alison Abbottが、この素晴らしい齧歯類(げっしるい)について紹介する。

    • ブッシュ米大統領は、月面基地を建設し、火星に人間を送るという大胆な将来構想を打ち出した。だが実現させるには、宇宙飛行士はさまざまな作業をロボットに助けてもらわなければならないだろう。米航空宇宙局(NASA)にはその技術があるのだろうか。Tony Reichhardtが報告する。

    • 地球温暖化とエネルギー需要の増大で、原子力が見直されている。しかし、原子力がエネルギー源として確固たる地位を占め続けるためには、さらに安く、クリーンで、安全なものにならなければならない。Declan Butlerが報告する。

    • フランシス・クリックは、物事を極めて深く考える生物学者の一人だった。今、生物学の世界は、彼の死を悼んでいる。クリックが1970年に発表した未来学の小論文には、彼の先見の明が示されており、今日の理論研究者にとっての課題が示唆されている。

    • 芹沢宏明は米国に渡り、前途有望な生物学研究者として順調に実績を積んでいた。しかし、彼の研究者人生はある日突然、めちゃくちゃになった。親切心で友人に協力したことが、日本を利するための産業スパイ行為だったと米連邦捜査局(FBI)にみなされたのだ。事の顛末をのDavid Cyranoskiが聞いた。

    • 東インドシネシアのフローレス島にある石灰岩でできた大きな洞窟、リアン・ブア(Liang Bua)の発掘研究から、小柄なヒト族(Hominini)の化石人類集団がいたことを示す証拠が得られ、解剖学的見地からこの人類は独立種とするに十分な特徴を備えており、新しい種、Homo floresiensis(ホモ・フローレシエンシス)に分類された。

    • 「予知」の封印を解く

      掲載

      米国の地震研究者たちは長い間、「予知」という言葉を避けてきた。しかし、観測データの質が改善されたり、一般の認識が変化してきたりして、研究者のそうした決心も揺らぎ始めている。David Cyranoskiが地震予知をめぐる議論を追った。

  • 2005

    2005年、「Nature月間ダイジェスト」は、「Nature Digest」と名称を変更し、付録から1冊の雑誌として独立しました。新セクションとして、オリジナル記事「Japan News Feature」、12月号からは「Japanese Author」をスタートさせています。この年には、初めてH5N1鳥インフルエンザのヒトの感染例が報告されたこともあり、鳥インフルエンザ特集を組みました。また、岐阜県神岡町のカムランドで、地球内部起源のニュートリノ(地球ニュートリノ)の観測に世界で始めて成功したことが、大きな話題となりました。ヒトとチンパンジーの塩基配列の違いは1%程度しかなかったというニュースが記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。チンパンジーのゲノムが解読され、Nature に報告されたのもこの年のことです。

    ピックアップ 2005

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    • 二酸化炭素などの温室効果ガスを企業が排出することを認める、排出権の売買がすでに始まっている。温室効果ガスを吸収するように計画されたプロジェクトで利益を得る企業も現れている。こうした排出権取引市場が活況を呈すれば、二酸化炭素の排出量を本当に減らすことができるのだろうか。Michael Hopkin が報告する。

    • 火星探査機マーズ・エクスプレスに搭載された高解像度ステレオカメラによって撮影された画像から、火星の表面は水や溶岩や氷の流れによって、わずか数百万年前に形成されたことがわかった。

    • 「百科事典」革命

      掲載

      2001年1月、ウェブのパワーに刺激を受けたJimmy Walesは、仲間とともにオンライン百科事典「ウィキペディア」を立ち上げた。ウィキペディアとは、数多くの人々のコラボレーションによって多言語のリファレンスツール(事典)を作り上げるというプロジェクトである。ウィキ技術という自分のウェブサイト以外の特定のサイトをユーザーが自由に修正するための技術を利用して、ウィキペディアの特定のページを修正したり、まったく新しいページを加えたりしていく。news@nature.com の記者Roxanne Khamsiが、サンディエゴ(米国カリフォルニア州)で開催されたオレイリー社のEmerging Technology会議に出席していたWalesにインタビューした。

    • 薬の備えは万全か?

      掲載

      インフルエンザが世界的に流行した際に犠牲者の数を減らせる薬は確かに存在する。とはいえ、各国の備蓄量はあまりにも少なく、また、危機が目前まで迫っている国々での備えが最も遅れているのが現状だ。Alison Abbottが報告する。

    • 中国の経済発展は、世界最多の人口を抱えるこの国を変ぼうさせている。しかし、エネルギー不足と環境汚染の激化が、奇跡の発展をはばむ課題として浮上してきた。とくに環境への影響は、地球全体の気候を大混乱に追い込む危険性もはらんでいる。Peter Aldhousが報告する。

    • これまでに、一見、ヒトと大きく異なっているように見える生物が、実は驚くほど似ていることが、ゲノム配列情報によって数多く明らかにされてきた。

    • 自分の仕事の嫌なところを1つ挙げてもらうと、研究助成金の申請手続きだという科学者が多い。この手続きがそれほどに挫折感を抱かせるのはなぜか。どうすれば事態は改善されるのか。Nature の記者たちが研究者に問いかけた。

  • 2006

    2006年、「Nature Digest」のオンライン版をスタートさせました。1月号からは「英語でNature」を開始しています。韓国の黄禹錫(ファン・ウソク)氏によるES細胞関連論文の捏造、日本のRNA研究に関する捏造疑惑が持ち上がったのが2005年の年末から2006年の年初にかけてのことでした。Nature では盛んに論文の捏造問題への対処法が論じられ、「Nature Digest」でもその記事を取り上げています。なお、2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥先生が、iPS細胞の作成に成功したのはこの年のことで、「Japanese Author」にご登場いただきました。また、この年の「Japanese Author」にはインフルエンザ研究で世界を牽引する河岡義裕先生にもご登場いただいています。

    ピックアップ 2006

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    • 中国における知的財産権

      掲載

      中国の特許権に対する取り組みが大きな転換期を迎えている。DavidCyranoskiが報告する。

    • この1年あまり、世界各地で自然災害が猛威をふるった。そして、その規模はこれからも拡大し続けると一部で予想されている。今後、大災害による被害増大が予測される世界の諸地域について、Quirin Schiermeierが検討した。

    • 科学論文誌の編集者たちは、査読で意図的な研究結果のねつ造を発見できるとは考えていない。しかし、スキャンダルは続いており、論文誌はねつ造論文を見つける方法を模索している。Emma Marrisが取材した。

    • はやぶさを越えて

      掲載

      日本の小惑星探査機「はやぶさ」は、遠く離れた小惑星のサンプルを地球に持ち帰る計画だった。しかし、サンプル回収という面では失敗に終わりそうだ。日本の宇宙開発は苦闘の途上にある。今回の経験は、日本の宇宙開発にどのように影響するのだろうか。冬野いち子が報告する。

    • 東京大学医科学研究所の河岡義裕教授は、インフルエンザウイルスの研究で世界をリードしている。1999年にインフルエンザウイルスの人工合成法を開発し、つい最近では、インフルエンザウイルス増殖時の内部構造について発表した。日本とアメリカ、カナダを股にかけて活躍する河岡教授に、インフルエンザ研究の現状と今後についてうかがった。

    • ロンドンの病院で今年3月、臨床試験に協力した6 人の健康な男性が多臓器不全で集中治療室に運ばれ、2人が危篤、4人が重症となる事件があった。この惨事の原因は、投与された薬そのものにあったことが明らかになった。いったい何が問題だったのか、この「スーパーアゴニスト」抗体による治療に将来はあるのか。Michael Hopkinが取材した。

    • 核のゴミ捨て場の作り方

      掲載

      世界の原子力発電の将来は、各地域の政治状況に左右されることになるのかもしれない。Geoff Brumfielが報告する。

    • 京都大学再生医学研究所の山中伸弥教授たちは、皮膚などにあるありふれた線維芽細胞にいくつかの遺伝子を導入することで、胚性幹細胞によく似た人工の多能性幹細胞を作り出すことに成功し、Cell 誌に発表した。この成果は世界中の幹細胞研究者が待ちわびていたもので、Nature 誌のErika Check記者は「山中はホームランを打ったようだ」とのコメントを出した。その山中教授に研究の経緯や今後の課題などについて、話をうかがった。

  • 2007

    今ではすっかり「エコ」な方向に進んでいるF1ですが、2007年8月号の「環境にやさしいF1」の記事を読んでも、この頃から「エコ化」が論じられていることがよくわかります。そして、フジテレビ系の「発掘!あるある大辞典」の納豆ダイエットに関する捏造問題については多くの方の記憶に残っているのではないでしょうか。「Nature Digest」でもこの問題について取り上げました。そして、日本の叡智を結集した地球深部探査船「ちきゅう」が、初の調査に出たのがこの年です。今では東日本大震災の震源地や南海トラフの調査、海底資源の試掘調査などに大活躍です。なお、2007年、2008年には、スーパーサイエンスハイスクールに関する特集も組まれています。

    ピックアップ 2007

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    • 埋め立て地がゴミであふれるころ、政府には新しいゴミ処理方法が必要になる。プラズマ技術でゴミをエネルギーに変える日本の施設をDavid Cyranoskiが取材した。

    • 幸福を測る物差し

      掲載

      幸福とはいかなるものか。アリストテレスの時代から哲学者たちは、この問題に頭を悩ませてきた。科学者、心理学者、経済学者らが現在、この問題にどのように貢献できるのかを、Tony Reichhardtが取材報告する。喜びを数値で表せる段階まで、多少なりとも近づいたのだろうか。

    • 不正と闘う科学誌

      掲載

      科学論文の発表における不正行為をなくすための確かな一歩が踏み出された。2006年12月初旬、Science 誌は、今後は一部の「高リスク」論文を対象に、より重点的な精査を行っていくことを表明した。

    • 幹細胞治療は、損傷したり変性したりした組織を回復させることができる治療法として有望視されている。幹細胞は現在、血液の入れ換えに本格的に用いられており、次は筋ジストロフィーの治療で成功を収めることになりそうだ。

    • 環境にやさしいF1

      掲載

      環境にやさしい自動車レースは可能だろうか?フォーミュラ1(F1)を主催する国際自動車連盟(FIA)のMax Mosley会長は、一般車にも使えるエネルギー効率のよい技術の開発を支援していきたいと考えている。この取り組みをどのようにして進めていくのか。Andreas Trabesinger記者が取材した。

    • 原子力発電の将来にとって重大な時期に発生した、柏崎刈羽原発の地震被災。日本の対応は、原子力発電に関する明るい見通しと落とし穴の両方を浮き彫りにした。

    • 震源への船出

      掲載

      最新の装置を搭載した世界最大の科学掘削船「ちきゅう」が、科学調査のための初航海に乗り出そうとしている。巨大地震が起こる現場(南海トラフ)を押さえようとするちきゅうの船出をDavid Cyranoskiが報告する。

    • 娘のDNA

      掲載

      臨床遺伝学を修めたというのに、娘の体の異常がどこから来ているのかHugh Rienhoffにはいっこうにわからなかった。そこで彼はBrendan Maherにこういった。だったら自分で突き止めてやろう。

  • 2008

    2008年から、より内容を充実させるべく、これまで28ページだったページ数を36ページへと増やしました。この年は、日本人4人がノーベル賞を授賞するという快挙でした。下村脩先生が「緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見と開発」によりノーベル化学賞を、南部陽一郎先生が「素粒子物理学と核物理学における自発的対称性の破れの発見」、小林誠先生、益川敏英先生が「クォークが自然界に少なくとも三世代以上あることを予言する、対称性の破れの起源の発見」により、ノーベル物理学賞を受賞しました。授賞は3人までと決められており、そのすべてを日本人研究者が独占したのは、これが初めてのことでした。なお、2012年にヒッグス粒子の発見という成果を挙げたCERNの「大型ハドロン衝突型加速器」が初稼動したのはこの年のことです。

    ピックアップ 2008

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    • ノックアウトマウスの「生産工場」を擁する審良静男は、鋭い洞察力と静かな物腰で、世界の免疫学研究をリードしている。日本における最高レベルの研究センターを構築中であり、今、世界で最も論文が引用されている研究者を、David Cyranoskiが訪ねた。

    • ポスドク(博士号取得後の任期付き職)が数千人単位で増え、研究者の余剰という問題に取り組む日本の現状を、Heidi Ledfordが報告する。

    • 慈善後進国、日本

      掲載

      日本人は慈善団体への寄付をほとんど行わない。寄付に消極的な日本の風潮を変えようと活動を続ける科学者や患者支援活動家を、David Cyranoskiが取材した。

    • 海底をめぐる国家間の争いが激しくなってきた。国連海洋法条約に基づく大陸棚の延長の申請期限が迫っている各国は、その根拠として提出するための情報の収集を急いでいる。大陸棚の延長が認められれば、その部分の海底の天然資源を調査し、開発する権利が得られるからである。地質学者や地球物理学者も、この熱狂に巻き込まれている。Daniel Cressey記者が報告する。

    • 人工多能性幹細胞は胚性幹細胞と瓜二つであるが、作製が容易で倫理上の大きな問題もない。この急激に進展している分野に関して「真」と「偽」を、David Cyranoskiが切り分ける。

    • 戸塚洋二 氏(1942-2008)

      掲載

      スーパーカミオカンデ共同観測グループを率いてニュートリノ振動を発見。

    • 現在、全世界の1年間の発電量は1万8000テラワット時に達しており、人類が消費する総エネルギーの40%近くを占めている。発電の過程で排出される二酸化炭素の量は、毎年、10ギガトン以上に上り、化石燃料に由来する二酸化炭素のセクター別排出量の中で最も多い。しかし、二酸化炭素の正味の排出量がゼロになるような発電技術は既に存在しており、太陽光発電や風力発電から原子力発電や地熱発電まで、多岐にわたる。

    • 成功する共同研究チームはどこが違うのだろうか?巨大なオンラインデータベースとネットワーク分析を使って、共同研究を成功に導くチーム作りのルールを見いだそうとする研究をJohn Whitfield記者が取材した。

  • 2009

    この年は、気候変動やクリーンエネルギーに関する記事を多く取り上げています。これは、2008年の洞爺湖サミットでの環境・気候変動が主要テーマであり、関連の研究分野が活性化したことによるものです。その他、特殊なライトを当てると毛根、皮膚、血液が緑色に光るサルの画像や映像を覚えている方もいらっしゃるかもしれません。日本の研究チームが、トランスジェニック霊長類の作製に世界で初めて成功したのです。また、中国の研究チームが、iPS細胞からマウスの個体を作製することに成功したのもこの年のことです。

    ピックアップ 2009

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    • 1609年、イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイは手製の望遠鏡で月を見上げた。そのちょうど400年後にあたる今年は、世界天文年である。今後40年間は、既存のどの望遠鏡をもはるかにしのぐ性能を備えた次世代望遠鏡が続々と建設されてくるだろう。Jeff Kanipeがそのうちの4基を紹介する。イラストはLynette Cookによる。

    • 2009年4月12日に死去したジョン・マドックスは、1966~73年と1980~95年に Nature の編集長を務めた。それまで科学研究の評価の点でもジャーナリスティックな報道活動の点でも、仲間意識や素人くささが抜けなかった Nature は、彼が編集長に就任したことをきっかけにして、挑発的で専門的な学術誌へと大きく変貌した。

    • リータ・レビ – モンタルチーニは、間違いなく、20世紀を代表する科学者の一人だ。あえて女性科学者と強調する必要もない。1950年代に彼女が格闘した神経成長因子(NGF)の発見と単離によって、その後の生命科学は、大きな新しい道が開かれた。神経細胞は成長して複雑なネットワークが形成されていくが、「なぜ、どのように?」という根本的な問いかけが、彼女の仕事から始まったのだ。共同研究者S.コーエンとの成果がいかに偉大であったかは、今日隆盛をきわめる脳科学・神経科学が明快に物語っている。いわゆる成長因子はその後、さまざまなものが発見され、それらの受容体も含めて、精妙な細胞間の相互作用の仕組みが解明されつづけている。2人は1986年にノーベル医学生理学賞を受賞した。2009年4月22日に100歳の誕生日を迎えたリータ。戦前に女性が学問の道に進むこと、ムッソリーニの時代にユダヤ人として過ごすこと、アメリカで厳しい研究競争に打ち勝つこと、いずれも想像を超える苦闘があったはずだ。そしていま、イタリアの“国の宝”として尊敬を集め、上院終身議員の地位にある。100歳を超えて現役をつづける彼女の生き方は、私たちに限りない希望と勇気と教訓を与えてくれる。(編集部)

    • 世界で初めて、導入された外来遺伝子を子孫に継承できる遺伝子改変(トランスジェニック)ザルが作り出された。この成果は、これまで限界があったトランスジェニックマウスを用いたヒト疾患治療の研究にとって大きな一歩となるだろう。

    • 2009年4月に開校した新設高等学校、横浜市立サイエンスフロンティア高等学校には、電子顕微鏡やDNAシーケンサーから天体観測ドームまで備わっている。これほど科学設備の整った高校はほかに類がない。ここから未来の科学者が巣立っていくことが期待される。David Cyranoski が取材報告する。

    • バージェス頁岩発見の歴史

      掲載

      Charles Doolittle Walcottがカナダ・ブリティッシュコロンビア州のロッキー山脈で大量のカンブリア化石を発見してから、今年で100年。その化石が分類されるまでの多難な道のりを、Desmond Collinsが振り返る。

    • ヌタウナギ類とヤツメウナギ類は、顎のない魚-無顎類として、現在まで生き残っているただ2つの分類群である。これらは、進化の謎の1つを解くカギとなるかもしれない。

  • 2010

    「Nature ダイジェスト」は、2010年4・5月合併号から書店販売を開始しました。デザインもリニューアルし、新たな科学ニュースマガジンとして生まれ変わりました。特に、世界の中で存在感を高める日本の科学や技術、また科学政策に対して、「世界がどう見ているか」を意識しながら記事選択をするよう心がけています。また、6月号の『「脳トレ」を検証する』など、一般の方々にも馴染みやすく、面白く読んでいただけるようなNews記事も取り上げるようにしています。この年は、「はやぶさ」の帰還に日本中が湧きました。2003年に打ち上げられた「はやぶさ」がさまざまな困難にも負けず、はるか離れた小惑星「イトカワ」からサンプル採取に成功して持ち帰ったことに、多くの方が感動したことと思います。

    ピックアップ 2010

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    • H1N1新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)に対して全世界が緊急体制をとっている今、研究者たちも、このウイルスに関する差し迫った問題に答えを出そうと努力している。米国の疾病管理予防センター(CDC)の病理学者たちは、新型インフルエンザウイルスが死をもたらす仕組みを調べている。ニューヨークのある研究室では、感染が広まる仕組みを調べている。フランスのあるバイオセーフティーレベル4(BSL-4)施設では、新型インフルエンザウイルスがH5N1鳥インフルエンザウイルスと遺伝子再集合を起こす可能性を調べている。

    • 神経外科医はヒトの脳に最も近づくことができる人たちだ。彼らは基礎研究者とチームを組んで、脳の何が「人間らしさ」をもたらすのか、解明しようとしている。

    • 大きく切られた日本の科学技術予算Free access!

      掲載

      内閣府に新設された政府の諮問機関が科学事業に対する予算の大幅カットを提言したため、日本の科学界は騒然となっている。

    • 2020年 科学の旅 (前編)

      掲載

      これから10年間、科学はどう展開していくのだろうか。今月号と来月号の2回に分けて、最先端の研究者と政策立案者からの展望を紹介する。go.nature.com/htW8uMにアクセスし、読者諸氏の反応や見方をお寄せいただきたい。

    • 「脳トレ」を検証する

      掲載

      パソコンを使った「脳トレ」で知的能力は向上しないという研究成果が発表された。

    • DNA鑑定の落とし穴

      掲載

      DNA鑑定は科学捜査における究極の判定材料だと考えられている。しかし、犯罪現場に残された極めて微量のDNAを同定することに対して、疑問が投げかけられている。DNA鑑定はどこまで信頼性があるのだろうか。

    • はやぶさ、帰還するFree access!

      掲載

      小惑星探査機「はやぶさ」は、今後のサンプルリターン・ミッションに貴重な財産を持ち帰った。

    • 幸せな研究者、不幸せな研究者Free access!

      掲載

      Nature では今年、世界各国の研究者を対象に、研究環境についての満足度調査を行った。確かに日本などは、満足度を低く見積もる国民性があり、データをそのまま受け取ることは避けたい。しかし、例えば、研究者が仕事に対して感じる満足度は給与以外の要素によっても大きく左右されるなど、全体的な傾向は各調査項目からうかがい知ることができる。

    • 世界中から選ばれた優秀な学生たちに未来学の思想を教え、世界をリードする人材を育てようとするサマースクールがアメリカ西海岸にある。大胆な主張と、優れた頭脳と、ハイテク装置が出会い、独特の高揚した雰囲気が生まれている。

  • 2011

    2011年3月11日に発生したM9.0の巨大地震。この規模の地震が三陸沖で起こり、巨大津波が沿岸を襲うことは、全くの想定外でした。「Nature ダイジェスト」ではこの年、地震や福島第一原子力発電所事故関連の記事を多く取り上げています。この年、沖縄科学技術大学院大学(OIST)本格始動しました。多くの優秀な研究者が集まっており、学際的研究を推進する旗手として期待がかかっています。なお、1月号から3号にわたって掲載した「フランシス・クリックの手紙」は、『二重らせんの物語』について、その当時のようすが鮮明に描かれており、ご好評をいただきました。興味のある方はぜひご覧ください。

    ピックアップ 2011

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    • DNAの二重らせんモデルで名高い、フランシス・クリック。彼がワトソンと共に、このモデルを構築するまでの経緯については、既に多くの書籍が出版されている。このほど、そうした経緯を新たに彩るクリックの書簡が発見された。そこからは、『二重らせんの物語』に秘められた登場人物たちの個性と緊迫した微妙な人間関係が、鮮明に浮かび上がってくる。Nature ダイジェスト では、今回初公開となるこれらの書簡について、3号にわたって掲載する。

    • 古代機械は何を語る

      掲載

      アンティキテラ島で発見された古代機械。多数の歯車で動き、太陽や月をはじめとする天体の運行の計算に用いられたと考えられている。古代ギリシャ人は、幾何学的宇宙観をこの機械で表現したのだろうか。それとも、この歯車機構からインスピレーションを得て、その宇宙観を発達させたのだろうか。

    • Twitterによる審判

      掲載

      発表された論文が、わずか数日で、ほかの研究者のブログやツイッター上で激しく批判されるケースが増えている。研究者らは、こうした批判にどのように対応するべきか、戸惑いを感じている。

    • 1946年3月。まだ寒さの残る英国で、ある1週間に生まれた赤ちゃん数千人の追跡調査が開始された。そして2011年、赤ちゃんたちは65歳の誕生日を迎えた。これほど大規模なコホート調査(同一集団統計調査)は類を見ず、その科学的価値は計り知れない。

    • PhD 大量生産時代Free access!

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      世界では、これまでにないハイペースで博士号(PhD)が生み出されている。この勢いに歯止めをかけるべきなのだろうか。

    • いざ、沖縄へ!Free access!

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      沖縄は、自由な研究で、日本の学際的研究を推進する旗手となる。

    • 3.11東北地方太平洋沖地震の観測データは異例なほどよくそろっているため、早くも、地震前、地震時、地震後の地殻変動の詳細が明らかになってきた。その一方で、地震と津波の危険を評価するためのモデルは、完成にはほど遠い水準にある。

  • 2012

    Nature で東日本大震災に関する特別編集記事が組まれたことから、「Nature ダイジェスト」初の別冊「震災復興特集号」を発行しました。Nature の視点からみた東日本大震災ということで、国内のニュースとは少し違った視点で記事が書かれています。その他、論文の詳細を公開すべき否かで長らく議論のあった、ヒト-ヒト間で伝搬するH5N1鳥インフルエンザウイルスに関する報告や、山中伸弥先生のノーベル賞授賞、ヒッグス粒子の発見、NASAの火星探査ローバーが無事に火星に到着したことなど、興味深い科学ニュースが盛りだくさんです。

    ピックアップ 2012

    このセクションでは、ネイチャー・パブリッシング・グループ日本のスタッフがその1年で印象に残った記事を選びました。購読者の皆様は、オンライン版 Nature ダイジェスト 2004年1月号以降のすべての記事にアクセスいただけます*。そのほかにも多数の記事がありますので、Nature ダイジェスト で10年間をぜひ振り返ってみてください。

    また、2010年以降は当サイトに ご登録 の方は無料でご覧いただける記事もございます。
    ご登録でない方はいますぐ ご登録 いただき、お楽しみください。

    * 本文は nature.com に掲載されています。アクセス方法につきましては、ヘルプ をご覧ください。
    2004年~2008年の一部記事はnature.comサイトにて無料でアクセスいただけます。

    • 日本を含むアジアの10の国と地域が、研究開発投資総額において、2009年にすでに米国に追いついていたことが明らかになった。

    • 南極の氷の底にあるボストーク湖をめざして1990年代から掘削を進めてきたロシアチームが、とうとう、この湖に到達した。

    • 成人女性の卵巣から卵を形成する幹細胞が見つかった。これにより、不妊の新しい治療法や生殖可能年齢の延長への道が開けるだろう。

    • 鳥インフルエンザH5N1ウイルス由来の赤血球凝集素(HA)タンパク質をもとに、遺伝子改変インフルエンザウイルスが作成され、わずか4つの変異によってフェレット間で伝播するように変わることが明らかになった。このことは、ヒトでのパンデミックが鳥から生じる可能性を強く示唆している。

    • 英国式新PhD教育

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      英国では大学に博士トレーニングセンターを設置し、将来の研究室運営や学術機関以外でのキャリアに備えた教育が行われている。

    • ヒッグス粒子の発見と今後Free access!

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      ヒッグス粒子がとうとう発見された。しかし、この粒子のスピンの値を確定したり、約125GeVという質量と整合性のある理論を導いたり、解決しなければならない課題は山積みとなっている。

    • 2012年8月6日、火星探査ローバー「キュリオシティー」は、複雑な降下過程を完璧にこなして火星のゲール・クレーターに着陸した。科学チームは、まずはローバーをどちらの方向に動かすべきか、検討を始めている。

    • マウスの幹細胞から卵子を作製Free access!

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      幹細胞(ES細胞とiPS細胞)から実験室で卵母細胞が作製された。卵子に成熟させることにも成功し、人工受精で誕生した仔マウスには繁殖能力もある。

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