Nature ハイライト

人間行動学:協力の複雑さ

Nature 555, 7695

弱肉強食の世界で利他主義がどのように進化したのかを解明する探求で生まれた全てのスキームの中で、間接互恵性はおそらく最も複雑なものである。間接互恵性とはつまり、行為者が、後に第三者から報酬が与えられることを期待して、離反者を罰して自らがコストを背負う場合があるというもので、これには道徳的な選択が必要とされ、第三者の応答は行為者および離反者の評判によって左右される。種々の選択肢が極めて複雑であるため、人間の思考力では妥当な時間枠内でそれらを計算することはできないと考える人もいるが、人間はそうした選択を容易に行う。これはどうしてなのか。今回著者たちは、間接互恵性の状況で第三者が直面する選択をシミュレートし、最大の協力を導く選択は、必ずしも最も複雑なものではないことを明らかにしている。「重要なのはあなたが行うこととあなたが行動するときの相手の評判だけである。善人は助け、そうでなければ助けることを拒絶しなさい。そうすれば我々はあなたに優しく接するが、そうしなければあなたは罰せられるだろう」という「厳しい判断」ですら、下から2番目の複雑さにすぎず、言語習得前の幼児でさえ行っていることなのだ。

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