Nature ハイライト

コロナウイルス:SARS-CoV-2 mRNAワクチンによって誘導されるスパイク特異的CD8+ T細胞応答

Nature 597, 7875

R ThimmeとV Oberhardtたちは今回、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染歴のない健常者における、mRNAワクチン接種によるCD8+ T細胞とCD4+ T細胞の誘導や持続性についての詳細な特性解析を報告している。彼らは、CD8+ T細胞が初回接種後1週間という早期に動員されることを明らかにした。これは、SARS-CoV-2による疾患に対する防御に、細胞性免疫が役割を担っている可能性を示唆している。一方、CD4+ T細胞と抗体は遅れて出現する(主に2回目接種後)。著者たちはまた、ワクチン接種によって誘導されるスパイク特異的なCD8+ T細胞は、自然感染によって誘導されるスパイク特異的なCD8+ T細胞とは異なる表現型(セントラル記憶T細胞がより少ない)を示すことも示唆している。これは、mRNAワクチンは長期的な記憶T細胞応答を誘導する能力が低いことを示唆しているのかもしれない。

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