Nature ハイライト

発生生物学:in vitroでの器官間の相互作用

Nature 574, 7776

器官形成では、複数の器官の間で組織が相互作用する必要があるが、これをin vitroでモデル化することは難しい。武部貴則(米国シンシナティ小児病院医療センターほか)たちは今回、ヒトの多能性幹細胞から作製した前方と後方の腸スフェロイドを混合することで、腸の発生における動的な形態形成現象のモデル化を可能にした。このモデルでは、前腸と中腸のスフェロイド間の境界に肝臓や膵臓の出現が誘導される。彼らは、この境界領域の誘導におけるNotchシグナル伝達の役割を明らかにし、ヒトの発生を研究する上でのこのモデル系の可能性を例示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度