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構造生物学:陽イオン–塩素イオン共輸送体の構造

Nature 572, 7770

陽イオン–塩素イオン共輸送体は、塩素イオンとカリウムイオンやナトリウムイオンが膜を通過する電気的に中性の共役移動を促進する。これはイオン恒常性の維持に重要である。こうした移動を行うことから、この輸送体は広範囲にわたる生理学的過程に関与していて、高血圧治療薬や利尿薬の標的となっている。M LiaoとL Fengたちは今回、Na–K–Cl共輸送体の構造を報告している。機能研究や計算機解析を加えた今回の結果から、イオンの結合や選択性、輸送機構の解明のための構造的枠組みが得られた。この構造は、疾患に関係する変異と治療に使われる阻害様式を理解するための出発点となる。

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